SendGrid(センドグリッド)を徹底解説!料金・機能、使い方をご紹介

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SendGrid(センドグリッド)を徹底解説!料金・機能、使い方をご紹介

「自社システムから送るパスワード再設定メールが、ユーザーに届かない…」
「毎月数万通のメルマガを配信したいが、サーバーに負荷がかかるのが心配…」
「Webサービスに会員登録後のサンクスメール機能を実装したい」

こうした、システムからの自動メールや、大規模なマーケティングメールの配信に関する課題は、多くの開発者やマーケターを悩ませています。

その解決策として、世界中で利用されているメール配信システムの1つが「SendGrid(センドグリッド)」です。SendGridは非常にパワフルなメール配信サービスですが、アメリカの企業が提供しているツールということもあり、導入するハードルが高いと感じている方も少なくありません。

また、私たち「配配メール」は、10,000社以上の導入実績を持つメール配信の専門家として、技術的な視点だけでなく、「誰が、どのような目的で使うか」というマーケティング視点も交えて、導入時のイメージがし易いようにSendGridの料金・機能・使い方をご紹介します。

メールの一斉配信~分析まで徹底網羅配配メール

目次

    SendGrid(センドグリッド)とは?

    SendGridとは、米Twilio社が提供するクラウド型のメール配信サービスです。自社のサーバーを使わずに、SendGridが持つ大規模で信頼性の高い配信インフラを利用し、大量のメールを高速かつ確実に送信できるのが最大の特徴です。

    日本では、株式会社構造計画研究所が正規販売代理店として、日本語でのサポートや販売を行っています。

    一般的なSendGridの使われ方

    SendGridは、大きく分けて2種類のメール配信に利用されます。

    トランザクションメール(トリガーメール)

    ユーザーのアクションをきっかけに、システムから自動で送信される1to1のメールです。ECサイトの購入完了通知、Webサービスの会員登録確認、パスワードリセット通知などがこれにあたります。確実に、そして迅速に届くことが求められます。

    マーケティングメール

    いわゆる「メールマガジン(メルマガ)」のように、企業が多数の顧客に向けて一斉に送信するメールです。新商品の案内、セールの告知などが含まれます。

    SendGridは、この両方のメール配信に対応できる汎用性の高さを持っています。

    関連記事はこちら【2025年最新】無料で使えるメルマガ配信サービス12選!有料との違いも解説

    SendGridの特徴

    SendGridの強みは、「API連携」を前提としている点です。

    API (Application Programming Interface) とは、簡単に表すと、「プログラム(サービス)同士を繋ぐための窓口」です。自社のWebサービスや業務システムにSendGridのAPIを組み込むことで、「ユーザーが商品を購入したら、SendGrid経由で確認メールを送る」といった連携を今利用している顧客管理ツールなどの情報と紐づけて行うことが可能になります。

    つまり、SendGridは「ログインしてメルマガを作る」というよりは、「システムにメール配信機能を組み込む」ための、どちらかといえば開発者向けのサービスという側面が強いことをまず理解しておく必要があります。

    SendGridの主要機能

    SendGridが提供する豊富な機能を、目的別に見ていきましょう。

    機能カテゴリ 主な機能 説明
    メール配信機能 Email API 自社システムと連携し、トランザクションメールを自動送信するメイン機能。
    SMTP Relay 既存のメールサーバーからSendGrid経由でメールを送信。手軽に導入可能。
    マーケティング
    キャンペーン
    メルマガなど一斉配信メールの作成、送信、管理。リスト管理やセグメンテーションも可能。
    配信品質・
    到達性向上
    ドメイン認証 (SPF/DKIM/DMARC) なりすましメールと判定されるのを防ぎ、メールの信頼性を高めるための設定。
    IPウォームアップ 新しいIPアドレスから配信する際に、徐々に通数を増やして受信サーバーからの信頼を得るプロセス。
    バウンス/ブロック管理 配信エラー(バウンス)になったアドレスを自動でリストから除外し、配信リストをクリーンに保つ。
    サプレッションリスト 配信停止依頼、バウンス、迷惑メール報告があったアドレスを自動で管理し、再配信を防ぐ。
    分析・管理機能 リアルタイム分析 開封、クリック、配信エラーなどの状況をダッシュボードでリアルタイムに確認。
    A/Bテスト 件名やコンテンツの異なる2パターンのメールを配信し、どちらの効果が高いかテストする機能。
    テンプレートエンジン 動的なデータを埋め込んだメールテンプレートを作成・管理。
    その他 Webhooks 開封やクリックなどのイベントが発生した際に、その情報を自社システムに通知する仕組み。

    【2025年最新】SendGridの料金プランを徹底解説

    SendGridには、無料プランと3つの有料プランがあります。プランによって送信できるメールの通数や使える機能が異なります。

    SendGrid料金プラン比較表(月額)

    プラン名 月額料金(目安) メール
    送信数/月
    主な特徴・機能 こんな方におすすめ
    Free $0 100通/日 (永久) ・基本的なAPI/SMTP連携
    ・リアルタイム分析
    ・テンプレートエディタ
    ・個人開発
    ・機能テスト、動作検証
    ・ごく小規模なサービス
    Essentials $19.95〜 5万通〜 ・Freeプランの全機能
    ・チャット/電話サポート(制限あり)
    ・ドメイン認証の簡素化
    ・スタートアップ企業
    ・中小規模のWebサービス
    ・月間数万通レベルの配信
    Pro $89.95〜 10万通〜 ・Essentialsプランの全機能
    ・固定IPアドレスの付与
    ・詳細なサブユーザ管理
    ・電話サポート
    ・本格的なメールマーケティング
    ・配信レピュテーションを重視する企業
    ・月間10万通以上の大規模配信
    Premier 要問い合わせ 要相談 ・Proプランの全機能
    ・専任のテクニカルアカウントマネージャー
    ・最優先のサポート対応
    ・請求書払い対応
    ・金融機関など高いセキュリティ要件
    ・月間数百万通以上の超大規模配信
    ・手厚いコンサルティングが必要な企業

    ※料金は米ドル建てのため、為替レートにより変動

    参照元:料金プラン | SendGrid

    料金プラン選択のポイント

    ・まずはFreeプランから

    SendGridがどのようなものか試すには、Freeプランで十分です。API連携のテストや管理画面の操作感を確認しましょう。

    ・ビジネス利用はEssentials以上が基本

    本格的なサービスで利用する場合、サポートや機能面からEssentialsプラン以上が推奨されます。

    ・固定IPアドレスが必要ならPro以上

    他のユーザーの影響を受けずに安定した配信を行いたい、自社の配信レピュテーション(信頼性)をしっかり管理したい場合は、自社専用のIPアドレスが持てるProプランが必須となります。

    ・サポートの手厚さで選ぶ

    技術的な問題に迅速に対応してほしい場合は、Proプラン以上のサポート体制が安心です。

    SendGridを導入する4つのメリット

    なぜ世界中の企業がSendGridを選ぶのでしょうか。メリットを4つに絞って解説します。

    圧倒的に高いメール到達率と配信速度

    SendGridの最大の強みは、メールを確実に相手の受信ボックスに届けるための専門的な技術とノウハウです。 ISP(インターネットサービスプロバイダ)との連携、IPレピュテーション管理、ドメイン認証への準拠など、メール配信の専門家集団が24時間365日インフラを監視・運用しています。自社で同等の環境を構築・維持するのは、コストも手間も膨大にかかるため、これらの点をお任せできるという点はメリットになるでしょう。

    強力なAPIによる柔軟なシステム連携

    SendGridはAPI連携に優れています。ドキュメントやライブラリ(各プログラミング言語用のひな形)が豊富に用意されており、開発者は自社システムへ比較的容易にメール配信機能を組み込めます。これにより、様々なシナリオに応じたメール配信の完全自動化が実現します。

    従量課金制によるスケーラビリティ

    サービスの成長に合わせて、メールの配信通数は増減します。SendGridは送信通数に応じた料金体系のため、スモールスタートから、事業の拡大に合わせて柔軟にプランを拡張していくことが可能です。無駄な初期投資を抑え、柔軟に運用することが可能です。

    詳細な分析機能と改善サイクル

    「メールが開封されたか」「URLがクリックされたか」「迷惑メール報告されていないか」といった配信結果を、リアルタイムで詳細に追跡できます。このデータに基づき、件名やコンテンツを改善するA/Bテストを行うなど、PDCAサイクルを回してメールマーケティングの効果を最大化できるでしょう。

    関連記事はこちら日本発!導入企業数累計10,000社超の「配配メール」

    SendGridのデメリット

    SendGridは非常に優れたツールですが、万能ではありません。導入してから「こんなはずではなかった」と後悔しないために、知っておくべきデメリットや注意点を正直にお伝えします。

    導入・運用には専門知識(API)が必須

    SendGridの機能を最大限に活用するには、APIに関する知識を持つエンジニアの存在が必要不可欠です。ドメイン認証(SPF/DKIM)の設定、APIキーの管理、システムへの組み込みなど、非エンジニアのマーケティング担当者が一人で設定~運用を完結させるのは非常に困難です。

    「マーケターが自分で手軽にメルマガを送りたい」というニーズに対して、SendGridはオーバースペックであり、設定のハードルが高いと言えるでしょう。

    関連記事はこちら【2025年版】メール配信システムおすすめ16選&選び方マニュアル - 機能・料金・サポートを徹底比較

    メールの一斉配信~分析まで徹底網羅配配メール

    管理画面のUIが英語中心で直感的ではない

    管理画面は一部日本語化されていますが、基本的には英語のUIです。

    また、機能が豊富な反面、どこに何があるのかが分かりにくく、日本のマーケターが日常的に使うツールと比べると、直感的な操作は難しいかもしれません。

    HTMLメールを作成する際のエディタも、国産ツールほど「誰でも簡単」とは言えず、ある程度の慣れが必要です。

    日本語でのサポート範囲が狭い

    正規代理店による日本語サポートは存在しますが、プランによって対応範囲や速度が異なります。 特にFreeプランや低価格帯のプランでは、サポートがチャットやチケット(メール)ベースになり、緊急性の高い問題が発生した際に、電話ですぐに日本語で相談したい、というニーズには応えにくい場合があります。手厚い日本語サポートを期待する場合は、高額なプランを選択する必要があります。

    SendGridの向き・不向き

    これらのメリット・デメリットを踏まえると、SendGridが向いているケースと、向いていないケースが見えてきます。

    SendGridが向いているケース

    開発者が主体となり、自社システムにメール配信機能を組み込みたい。
    ・トランザクションメールの到達率を最優先で改善したい。
    ・APIを駆使して、複雑なメール配信を自動化・効率化したい。
    ・社内にエンジニアのリソースが十分にあり、英語のUIにも抵抗がない。

    SendGridが向いていないケース

    非エンジニアのマーケティング担当者が主体となり、メルマガ配信を行いたい。
    プログラミング知識なしで、誰でも直感的にメールを作成・配信したい。
    ・困ったときに、迅速で手厚い日本語の電話サポートを受けたい。

    もしあなたが後者の「向いていないケース」に当てはまるなら、無理にSendGridを選ぶよりも、その他の国産メール配信システムを選択した方が、はるかに費用対効果が高く、スムーズに成果を出せる可能性が高いです。

    メールの一斉配信~分析まで徹底網羅配配メール

    SendGridの基本的な使い方・設定の流れ

    ここでは、非エンジニアの方にもイメージが湧くよう、SendGridを使い始めるための大まかな流れを解説します。

    1. アカウント作成: 公式サイトからサインアップします。
    2. 送信者認証(Sender Authentication): これが最初の関門です。自社のドメインが正当な送信元であることを証明するために、DNSサーバーにSPFやDKIMといった情報を設定します。エンジニアの協力が必要になる部分です。
    3. APIキーの発行: システム連携に使うための「秘密の鍵」であるAPIキーを発行し、安全な場所に保管します。
    4. システムへの実装: 発行したAPIキーを使い、自社のシステムやアプリケーションにSendGrid経由でメールを送信するプログラムを記述します。
    5. 送信テストと分析: テストメールを送信し、管理画面のダッシュボードで開封やクリックが正しく計測されるかを確認します。

    この流れを見て、「ちょっと難しそう…」と感じたマーケティング担当者の方も多いのではないでしょうか。その感覚は、ツール選定において非常に重要です。いかにツールが優れていても、使いこなせなければ、パフォーマンスを発揮できないなんてことになりかねません。

    【目的別】SendGrid vs 国産ツール「配配メール」徹底比較

    SendGridとその他国産のメール配信システムでは、具体的に何が違うのでしょうか。弊社の提供するメール配信システム「配配メール」と比較しながら見ていきましょう。

    SendGrid 配配メール
    得意領域 API連携によるシステムメール配信 マーケターによるメルマガ配信・メールマーケティング
    主な利用者 開発者、エンジニア マーケティング担当者、営業担当者
    操作性 (UI) 開発者向け、英語中心、機能が豊富でやや複雑 マーケター向け、日本語、直感的で誰でも簡単
    メール作成 HTML/CSSの知識が求められる場面あり HTML/CSSの知識は基本的に不要
    サポート体制 プランにより変動、英語でのやり取りが発生する場合あり 電話・メールによる手厚い日本語サポートが標準
    料金体系 従量課金制(配信数ベース) 月額定額制(アドレス件数ベース)
    強み ・APIの柔軟性と拡張性
    ・グローバル標準のインフラ
    ・圧倒的な使いやすさ
    ・導入から運用までの伴走型サポート

    この表からわかるように、得意な土俵が全く異なるのです。

    自分たちが何を目的にメール配信システムを利用するのかをはっきりさせることが重要です。

    ・会員登録通知やパスワードリセットなど、システムからの自動通知メール

    → 開発者がAPIで柔軟に実装できる「SendGrid」がおすすめ

    ・見込み顧客の育成、既存顧客へのメルマガ、セミナー案内など

    → 専門知識なしで誰でも簡単に操作でき、手厚いサポートで成果創出を支援する「配配メール」などの国産メール配信システムがおすすめ

    技術者向け:SendGrid公式サイトはこちら
    マーケター向け:配配メール公式サイトはこちら

    まとめ

    今回は、強力なメール配信サービスであるSendGridについて、その機能から料金、メリット・デメリット、そして国産ツールとの違いまでを詳しく解説しました。

    最後に、この記事のおさらいです。

    • SendGridはAPI連携を前提とした開発者向けのメール配信サービスであり、トランザクションメールの確実な配信に絶大な強みを持つ。
    • 導入・運用にはエンジニアの協力が不可欠で、非エンジニアのマーケターが主体で使うにはハードルが高い側面がある。
    • メルマガ配信やメールマーケティングが主目的の場合は、UIの分かりやすさや日本語サポートの手厚さから、配配メール」のような国産ツールが適している。
    • メール配信に力を入れるなら「システム通知はSendGrid、マーケティングは配配メール」という戦略的な使い分け。

    ツール選びで最も重要なのは、自社の目的と、「誰が・どのように使うのか」を明確にすることです。利用用途に沿ったメール配信システムを選択しましょう。

    メールの一斉配信~分析まで徹底網羅配配メール

    「配配メール」は、企業の集客・販促活動に携わる方のメールマーケティング業務を支援するサービスです。
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    また、機能の提供だけではなく、ナレッジ提供や個社の運用に踏み込んだ手厚いアフターフォローにより、お客様の販促の成功に向け伴走します。
    メール配信の初心者から本格的なメールマーケティングの実践を目指している方まで、どなたでも安心してお使いいただけるサービスとして、お客様に長く愛され、98%の継続利用率を維持しています。

    記事執筆者紹介

    記事執筆者 山盛 有希子紹介
    山盛 有希子著者山盛 有希子のXへのリンク
    株式会社ラクス ラクスクラウド企画部 オンラインプロモーション課

    自動車部品メーカーで広報として3年間従事し、2020年6月にラクス入社。オンラインマーケティングチームに所属し、メルマガ運用やメルラボの企画・コンテンツ作成を担当。社内外向けにセミナーや勉強会を行い、メールマーケティングのナレッジを提供している。

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