お役立ちコラム
業界別メルマガの開封率とクリック率の目安って?効果測定の正しい方法とは

メールが普及してから、長きにわたって配信サービスによるマーケティングが行われてきました。メルマガの効果を上げるためには、開封率とクリック率の測定が最重要です。そこでまずは、2015〜2018年度の業種別メルマガ開封率とクリック率を参考にしながら、メルマガの効果検証の方法とメルマガの開封率を上げる方法をご紹介します。その上で、今日におけるメルマガの効果的な使用法について考えていきます。
目次
全般的なメルマガの開封率・クリック数の現状
まずは全般的なメルマガの現状を確認しておきましょう。メルマガの開封率は、調査対象となる企業や調査方法にもよりますが、全体で平均すると20%前後とされています。そして、クリック率は2%~3%程度です。また、PCかスマホかというように、受信する環境によっても異なり、一般的にはPCに比べるとスマホは開封率が高い傾向があります。さらに、メルマガの開封率・クリック率は、コンテンツの内容やユーザーの傾向に左右されるため、業種によって開封率の高さは大きく変わることに注意が必要です。例として、ユーザーの興味と直結しやすい趣味関連のメルマガは、開封率が高い傾向があります。一方で、頻繁に配信され対象も多岐にわたるクーポン配信のメルマガは低くなりやすい傾向があるなど、業種によって様々です。このように効果測定が出来るようになったとはいえ、まだまだ完全な数字を取る事が出来ていない現状があります。そこで、参考となるいくつかの業種をピックアップしながら、メルマガの開封率とクリック率についてみてみましょう。
業界別メルマガの開封率とクリック率の目安【2015年度
まずは2015年度のメルマガ開封率を、業種別にみていきましょう。ここでは特に10種の業界を取り上げ、メルマガの開封率とクリック率を紹介します。なお分類項目や含まれる企業、対象とするユーザーなどは、調査会社や方法によって扱いが異なるため、注意しておきましょう。
業種 | 開封率 | クリック率 |
---|---|---|
農業・食品サービス | 18.3% | 2.3% |
芸術・工作 | 17.1% | 1.7% |
スポーツ | 15.1% | 1.6% |
ヘルスケア | 15.9% | 0.8% |
旅行 | 18.0% | 2.1% |
美容・服飾 | 10.5% | 1.7% |
教育 | 12.8% | 1.3% |
ITサービス | 18.8% | 3.2% |
運輸 | 15.1% | 2.8% |
エンターテイメント | 18.3% | 2.7% |
メルマガの開封率とクリック率の目安【2016年度】
業種 | 開封率 | クリック率 |
---|---|---|
農業・食品サービス | 25.17% | 3.21% |
芸術・アーティスト | 27.45% | 2.89% |
スポーツ | 25.95% | 3.45% |
医療・ヘルスケア | 22.68% | 2.49% |
旅行・交通 | 20.65% | 2.30% |
美容 | 18.96% | 2.14% |
教育 | 21.96% | 2.75% |
保険 | 20.60% | 2.14% |
コンサルティング | 19.63% | 2.37% |
デイリーディスカウント・電子クーポン | 13.87% | 1.81% |
メルマガの開封率とクリック率の目安【2017年度】
次に2017年度の動向を確認しておきましょう。2016年度と比較してみると、開封率は全体的に増加している傾向にありますが、クリック率はやや減少傾向となっていることが分かります。
業種 | 開封率 | クリック率 |
---|---|---|
農業・食品サービス | 24.71% | 2.98% |
芸術・アーティスト | 27.23% | 2.85% |
スポーツ | 25.41% | 3.19% |
医療・ヘルスケア | 22.43% | 2.42% |
旅行・交通 | 20.69% | 2.17% |
美容 | 18.48% | 1.96% |
教育 | 22.00% | 2.63% |
保険 | 21.56% | 2.11% |
コンサルティング | 19.54% | 2.26% |
デイリーディスカウント・電子クーポン | 15.22% | 2.39% |
メルマガの開封率とクリック率の目安【2018年度】
最後に2018年度の動向を確認しておきましょう。2017年度と比較してみると、開封率・クリック率共に減少傾向にあるということが読み取れるのではないでしょうか。
業種 | 開封率 | クリック率 |
---|---|---|
農業・食品サービス | 23.12% | 2.69% |
芸術・アーティスト | 26.03% | 2.66% |
スポーツ | 23.77% | 2.88% |
医療・ヘルスケア | 21.09% | 2.25% |
旅行・交通 | 20.03% | 2.00% |
美容 | 17.01% | 1.76% |
教育 | 21.80% | 2.48% |
保険 | 20.99% | 2.09% |
コンサルティング | 18.96% | 2.15% |
デイリーディスカウント・電子クーポン | 14.92% | 2.30% |
効果測定の正しい方法
ここまでは、業種・年度別にメルマガの開封率とクリック率の平均を紹介してきました。ですが、必ずしも平均値が絶対というわけではありません。正確な測定・比較を行っていくためには、以下の4つの理由を念頭に置くことが必要です。それでは、それぞれポイントを確認していきましょう。
理由1 同じ業種でもターゲット層が違う
まず前提として同じ業種であっても、ターゲットとしているユーザーは企業ごとに異なっていることに注意が必要です。例えば、飲食業界を例にあげてみましょう。業界の中には、ファミリー層をターゲットに置くレストランもあれば、企業へのケータリングをメインとしている弁当屋などもあります。これらのターゲットには重なる部分もあるかとは思われますが、メインとするターゲットユーザーも、そのユーザーがメルマガを受けとり閲覧する環境も大きく異なっているはずです。そのため、同じ業種に振り分けられていても、必ずしも似たような結果になるとは限りません。メルマガ配信のデータだけを確認するのではなく、その他のマーケティング手法と組み合わせてより正確な情報を手に入れる事が重要です。
理由2 ユーザー層によって最適なタイミングが違う
メルマガの開封率を上げるためには、ユーザーが開きやすい・興味を持ちやすいタイミングで配信することが必要です。しかし、先ほど紹介したように、企業ごとにメインとしているターゲット層は異なっています。その結果として、企業ごとに配信日時も最適な集計タイミングも異なってきます。そのため、比較的に近い業種であったり、競合他社であったりしても、集計タイミングによっては開封率・クリック率にブレが出る可能性があります。
理由3 コンテンツ内容の優先度が違う
コンテンツの質だけではなく、知らせる内容によっても開封率・クリック率は変わってくることでしょう。例えば、サービス内容の変更などの重要なお知らせであれば、開封率とクリック率は大きく上がります。一方で、何度も送られてくる定期的な広告などであれば、目新しさを感じず、開かれないままで終わってしまいやすくなります。そのため、重要な情報のみを少数の会員に伝えるメルマガを送る企業と、多くの人に沢山のメルマガを送る企業では開封率とクリック率ともに違ってきます。また、スマホかPCかでもコンテンツの選択を慎重に行うべきでしょう。例えば、タップするだけで簡単に電話を繋げられるスマートフォンのメリットを生かした内容を送るなどの工夫は常に考慮するとよいでしょう。
理由4 設定によっては正確に測れないことがある
HTMLメールを利用した開封率の測定は、いくつかの仕組みがありますが、一般的に普及しているのは、埋め込んだ画像がダウンロードされた回数で計測する方法です。ですが、受信するユーザーが画像の読み込みを禁止していたり、そもそもHTMLメールの受信・開封を拒否していたりする場合、正確な数値を図ることができません。こうした事情があるため、メルマガの開封率は実際には計測よりもやや高い数値である可能性もありえます。
メルマガの効果算出について
効果測定の前提条件を確認した後は、正しい算出方法も確認しておくことが重要です。メルマガの開封率・クリック率測定は、メルマガ配信サービスなどのツールを使用するのが一般的です。しかし、開封率とクリック率を正確に導き出すためには、計測方法の仕組みを正しく理解しておくことが大切です。そこで、あらためてメルマガ効果の算出方法を確認しておきましょう。
・HTMLメールで送る必要がある
まず開封率・クリック率を算出するためには、テキストメールではなく、HTMLメールを使用する必要があります。テキストメールには、開封率を測定する機能はないため、必ずHTMLメールを使用しましょう。
・開封率の算出方法
開封率はメルマガを受信したユーザーが、メルマガを開いたかどうかを測定します。このとき、アドレスの変更などで届かなかったメルマガの数は除外することに注意が必要です。ユーザーに届いたメルマガだけを対象にして算出しましょう。
開封率の算出式
開封率=(ユーザーがメルマガを開いた数÷ユーザーに届いたメルマガ数)×100%
・クリック率の算出方法
クリック率は、配信したメルマガに載せた「リンクがどれだけクリック」されたかを示す数値です。開封されたメールではなく、ユーザーに届いた数から算出することに注意しましょう。
クリック率の算出式
クリック率=(ユーザーがリンクをクリックした数÷ユーザーに届いたメルマガ数)×100%
ちなみに、開封されたメルマガから算出する数値は「反応率」と呼ばれています。こちらは、開封はされたメルマガのリンクがクリックされたかどうかを割り出せるため、件名などの要素を差し引いたコンテンツ内容の質を調べることに適しています。こちらの計算式も確認しておきましょう。
反応率の算出式
反応率=(ユーザーがリンクをクリックした数÷開封されたメルマガ数)×100%
メルマガ配信は本当に今のままで良いのか
2015年度から2018年度までのデータを参照してきましたが、このまま2019年度もこのスタイルでメール配信を続けるべきかは疑問が残ります。というのも、一定の開封率とクリック率はキープ出来ていますが、大きな上昇などが見られていないためです。前述のようにどんなターゲットを狙うのかにもよるのですが、例えば、LINE上で送られてくるメッセージや、キャッシュレス系のサービスなどが、エンドユーザーと呼ばれる最終的な消費者との接点を増加させています。「ポイント還元」、「現金還元」、「商品購入」がサービス上から直接出来るような流れです。今まで、電子クーポンなどをメールで確認していた人もそちらが手軽であれば移行していきます。
こうなると、メール配信サービスの狙う層はすこしずれたところになってくる可能性があります。一例としては、高単価な商材の情報に特化していくことなどが考えられます。
また、こういった他サービスとの連携や連動といった活用方法も考えていく必要があるかもしれません。メルマガ単体での質の向上や検証も重要ですが、次のステージに進むためには企業全体でマーケティング戦略の一部分としてのメルマガ、という共通認識を持つべきでしょう。
関連記事はこちらメルマガ(HTMLメール)開封率の測定方法って?開封率の測定以外の活用法もご紹介
まとめ
メルマガは、手当たり次第に数を送れば良いというものではありません。他のサービスの動向も確認しながら、さらなる効果を上げるために、現時点での効果を正確に把握し、ユーザーの興味を引き付けるものに改善していくことが大切です。現状に満足せずに、積極的に開封率・クリック率の上昇を図っていきましょう。
- 2015年度データ参考
- メルマガのクリック率の目安は?メルマガ数値レポート2016年版②~産業別クリック率編~ | その他ツールの最新情報や基礎知識 | 知る・学ぶ| Marketing Bank (マーケティングバンク)
- 2016年度データ参考
- 【2016年版】業種別メールマーケティングのデータレポート(保存版) | メルラボ
- Email marketing statistics 2016
- 2017年度データ参考
- Email marketing engagement and response statistics 2018
- 2018年度データ参考
- https://www.smartinsights.com/email-marketing/email-communications-strategy/statistics-sources-for-email-marketing/?_fsi=YnHyeuaA&_fsi=YnHyeuaA
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