御中の使い方を詳しく解説!様・各位との違いや使い分け方も紹介

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御中の使い方を詳しく解説!様・各位との違いや使い分け方も紹介

メールや書類の差し出しによく使われる「御中」という言葉は、誰にでも使える表現ではありません。御中は間違って使われやすい言葉なので、事前に正しい知識を身につけておくことが大切です。そこで今回は、御中を使えるシチュエーションや具体的な使い方について解説します。

目次

    「御中」とは

    「御中」とは、「ある組織などの集団の中にいる人へ」という意味の敬称です。で手紙やメールなどで送付する相手の宛名の後ろに添えて使われるケースが多いです。

    具体的には、宛先に個人を限定せず「組織の中に属する人であれば誰がみても良い」という意思を示すことになります。手紙では、返信用封筒に印字されている「〇〇株式会社 宛」などの表現を「〇〇株式会社 御中」に訂正して返送するケースもあります。

    「各位」「様」との違いと使い分け方

    御中の他によく使われる敬称として、「各位」「様」があります。

    「各位」は、「組織の全員」に対する敬称です。
    各位は御中と同様に目上の相手であっても使用できますが、より丁寧でへりくだった表現にするのであれば「皆様」と書くと良いでしょう。

    「様」は「特定の個人」に対する敬称です。
    3つの中では最も一般的で、よく使われます。相手を明確に指定する形になるため、確実に内容を把握してもらうために有効です。

    「行」「宛」「係」との違いと使い分け方

    これまで紹介してきたほかにも、「行」「宛」「係」といった表現も見たことがあるでしょう。この3つは基本的に郵便物において使われます。

    「行」や「宛」、「係」は、自分宛に返信してほしい封筒の返信先に使う表現です。
    返信用封筒を添える際の宛先に「行」や「宛」、または「係」をつけます。

    返信用封筒を使って相手に返信する場合、宛先に「行」か「宛」と記載がある場合は、この「行」や「宛」を二重線で消して、その横に「御中」や「様」を記載します。
    宛先に「係」が記載されている場合は、そのままで「係」の下に「御中」をつけます。

    御中を使えるシチュエーション

    御中を使えるシチュエーションは主に次の3つです。複数の人員が在籍している組織であれば基本的には「御中」と表記できる、と考えておくとわかりやすいでしょう。

    取引先や他社

    会社組織には多くの部門が存在しますが、「会社」「部署」「課」のどれであっても御中を使用できます。「該当の部門に向けてメールを送信したいと考えているものの、担当者が誰かわからない」というときや、展示会やセミナーなどで獲得した営業リストをもとに営業メールを送信する場合によく用いられます。一般的には例文の通り、対象範囲をより絞ることでメールを確認いただける確率が高まります。

    【例文】
    株式会社ラクス 御中
    株式会社ラクス 配配メール事業部 御中
    株式会社ラクス 配配メール事業部 企画課 御中

    事務局などの団体

    「事務局」と名のつく団体や、「センター」などにも御中を利用できます。組織や団体であれば広く利用できるので、利便性の高い敬称といえるでしょう。

    【例文】
    配配メール事務局 御中
    ラクスセンター 御中

    社内のプロジェクトや部署

    社内のプロジェクトや部署に向けてメールを送信する際も、御中の使用は可能です。しかし部署のメンバー全員に目を通してもらいたい内容を送信するのであれば、「各位」を使った方が伝わりやすいでしょう。

    各位を利用して複数人にメールを一斉に送る場合は一人ずつに送信するのではなく、「CC」や「BCC」の機能を使うとまとめてメールの内容を共有できるためおすすめです。

    しかしこれらの機能には誤送信を起こしやすいという側面もあるので、使用する際は十分に送信先を確認しましょう。万が一機密情報を取引先などに送信してしまうと、重大なセキュリティ事故につながる可能性もあります。

    御中を使う際の注意点

    御中を使う際の注意点

    「御中」は間違った使い方をされるケースも多いため、ここではよくある3つの失敗例をご紹介します。基本を知っておくだけで相手の印象を損ねることを避けられるため、ぜひ確認しておきましょう。

    御中は個人宛には使わない

    上述の通り、「御中」は組織の中の人に対する敬称になります。「ただし、個人が特定できている場合の敬称は「様」となり「御中」は活用できないので注意しましょう。

    さらに「様」の失敗例として「部長様」「課長様」など、役職に「様」をつけてしまうケースもよくありますが、役職自体が敬称にあたるため二重敬語になってしまうので注意しましょう。

    御中と各位は同時に使えない

    「御中」と「各位」は1つのメールの中で同時に使えないという点には注意が必要です。「御中」と「各位」はそれぞれ「組織の中の誰か」と「組織の全員」という意味をもっているので、同時に記載すると矛盾した意味をもつメールになってしまいます。

    さらに「様」の失敗例として「部長様」「課長様」など、役職に「様」をつけてしまうケースもよく見受けられます。役職自体が敬称にあたり、二重敬語になってしまうため注意しましょう。

    件名には入れない

    ビジネスメールを作成する際は、見ただけで内容が把握できるわかりやすく簡潔な件名をつけることが望ましいといえます。このことから、件名に「〇〇会社御中」のような表記をしてしまうと内容を判断しづらくなり、相手が開封の判断に困ったり読まずに迷惑メールとして削除したりする危険性があります。御中は件名に入れず、用件のみを簡潔にあらわすようにしましょう。

    「〇〇係」には様を使用する

    「部署」や「課」には御中を使用するとご紹介しましたが、「係」に限ると個人を示すケースが増えるため「様」を使用するのが一般的です。担当者の氏名がわからないのであれば、「〇〇係 御担当者様」などの表現を使えば失礼になりません。

    宛名を書き換えなければならないシチュエーション

    送られてきた返信用はがきなどを使って郵便物を返送するときに、宛名を書き換えなければならないシチュエーションがいくつかあります。返信用はがきに送り先となる個人名だけが記されており敬称などがつけられていなければ、宛名に「様」などを付記して差し出しましょう。

    さらに、「~部門」や「~係」などの組織名が書かれている場合は、組織名の後ろに「御中」を追記します。「行」や「宛」と書かれているときは二重線で該当部分を消して、「様」や「御中」と書き添えた上で送付します。

    英語で「様」を表現したいときは?

    英語で「様」を表現したいときは、個人に宛てた文書やメールであれば「Dear 〇〇」という表記を使用するのが一般的で、宛先が複数名の場合は「Dear All」や「To Whom It May Concern」を使用します。

    「Dear 〇〇」の「〇〇」の部分には個人名が入りますが、名称がわからないときは「Sir」や「Madame」などの性別を表記する習慣があります。性別も不明な場合は、「Dear Sir or Madam」のように性別を並列に表記しましょう。

    記載を間違えたときは一から書き直す

    文書を作成しているときに、宛名書きの記載を間違えた場合は基本的に一から書き直すのが原則です。はがきや封筒は新しいものを使い、あらためて宛名を記述しましょう。
    すぐに代わりのはがきや封筒を用意できない場合は、二重線で間違えた部分を訂正して正しい文章を記述する方法でも問題ないとされています。

    ただし訂正の際、修正テープや修正液などは使わないように注意する必要があります。修正テープや修正液を利用した修正では、「書き直すのが手間だったのかもしれない」「封筒代が勿体なかったのかな」というマイナスの印象をもたれてしまうおそれがあるためです。

    御中の使い方に困ったときは

    他にも、御中の使い方に悩みやすいケースがいくつかあります。困ったときは、次のような対処法を試してみることをおすすめします。

    送信先の名前がわからない場合

    特定の個人にメールを送信したい場合でも、相手の名前がわからないこともあるでしょう。営業担当や人事担当などとコミュニケーションを取りたいときに、「〇〇株式会社 御中」としても間違いではありませんが、やや丁寧さに欠ける印象もあります。

    そこで、送信先の名前がわからない場合も「御担当者様」という表現を使うことをおすすめします。「〇〇株式会社 第一営業部 御担当者様」などとすれば、名前がわからなくても丁寧さを残しつつ個人に宛ててメールを送信できます。

    自己紹介や退職の挨拶

    取引先に担当が変わったことを報告したり、退職の挨拶をしたりする場合は「皆様」や「各位」を使う方が適しているといえます。「御中」は個人を指定せずに「組織全体の中の誰か」を表現することから、挨拶の場面であればそれぞれに向けてメールを送信する意味合いの「各位」を使いましょう。

    複数名に送信する際は連名にする

    2人以上の複数名にメールを送信する際は、連名で記載しましょう。例えば「鈴木様、伊藤様、斎藤様」のような形で送り先の名前を併記するのが代表的なパターンです。

    連名にする際は、左から役職が高い順に並べることが大切です。くれぐれも低い方から並べないように注意しましょう。複数の企業を宛先に含む場合は、会社ごとに送り先の名前を記すことで対応できます。

    まとめ

    今回は「御中」の使い方についてご紹介しました。誤用されやすい御中という敬称ですが、組織や団体に対して広く利用できるので、宛先が不明な場合に便利な表現です。「担当者がわからないものの相手の団体の誰かに内容を確認してほしい」というシチュエーションで、積極的に利用すると良いでしょう。

    とはいえ、相手やメールの内容によっては「各位」や「様」を使用した方が良いケースもあります。宛先や用件を確認し、どの敬称が最も適しているかを判断した上で上手に使い分けることが大切です。

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    記事執筆者 山盛 有希子紹介
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    株式会社ラクス ラクスクラウド企画部 オンラインプロモーション課

    自動車部品メーカーで広報として3年間従事し、2020年6月にラクス入社。オンラインマーケティングチームに所属し、メルマガ運用やメルラボの企画・コンテンツ作成を担当。社内外向けにセミナーや勉強会を行い、メールマーケティングのナレッジを提供している。

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