お役立ちコラム
セグメント配信と一斉送信の使い分けとは?メールの開封率、クリック率を改善する方法を紹介します

セグメント配信とは、顧客の属性や興味関心などでグループに分類し、分類別にメールを配信する手法のことです。セグメント配信は開封率の向上や顧客関係の維持に高い効果を発揮します。
メルマガの開封率を上げるためには、顧客のニーズにマッチした情報を届けて興味を引く必要があります。そこで効果的なのが、顧客の属性ごとにメールを送信できるセグメント配信です。セグメント配信で効果を得るには、どういったセグメントにするかといった「セグメンテーション」が重要です。そこで今回は、セグメント配信の効果や従来の一斉送信との違いなどをご紹介します。

目次
セグメント配信とは?
セグメント配信とは、顧客の属性や行動の段階を分類し、それぞれの顧客にマッチする情報をメールで配信することです。年齢や性別、商品やサービスの利用頻度などさまざまな条件で顧客を絞り込めるので、より適切なメールマーケティングが行えるようになります。このような特徴から、セグメント配信は同じ情報をすべての顧客へ配信する一斉送信と比較されます。
セグメント配信の特徴
顧客の条件ごとに異なる内容のメールを送るセグメント配信では、開封率やURLのクリック率の増加、メルマガ解約率の改善などが期待できます。顧客のニーズを絞り込み、適切な相手へ的確なタイミングで情報を提供できるためです。効果的なセグメント配信を行うためには、どのような条件で顧客を切り分けるかが重要です。
セグメント配信の注意点
セグメント配信を実施した後は取得した配信データの調査・分析を行い、どの程度の効果があったのかを明確にしましょう。改善点が見つかればその都度最新の情報に更新して、開封率やクリック率にどのような影響が出るかを注視します。一時的に数値が悪化したからといってすぐに元に戻すのではなく、何度か改善を繰り返したうえで、そのセグメント配信が有効かどうか判断することが大切です。
効果測定の際、メルマガにおいては「購読解除率」をセグメント配信の中止理由にすることはおすすめできません。どんなメルマガにも解除するユーザーは一定数発生するため、自社を好ましく思ってくれているユーザーに利益のあるメルマガであるように心がけましょう。
一斉送信メールとは?
一斉送信は、同じ内容のメールを一斉に配信する方法です。ターゲットを分けずにメルマガを配信することから、新しい商品やサービスへの反応を確かめたいときに役立ちます。具体的な配信方法として、CCあるいはBCCでの一斉送信、顧客のメールアドレスを登録したメーリングリストの活用が挙げられます。ただし、これらの方法は個人情報漏洩リスクが高いためおすすめしません。ECサイトの販促メールをはじめ、大人数にメールを送る場合はメール配信システムを利用するのが一般的です。
一斉送信メールの特徴
一斉送信は、セグメント配信に比べるとメールの開封率が低い傾向にあります。これはコンテンツの切り口や掲載順位に開封率が左右されるためです。逆に「誰もが欲しがるであろう」という情報を盛り込めば、メールの開封率向上が期待できます。情報の質をウリにする場合、一斉送信が最適です。
顧客が「自分に関係する内容ではない」と見なした時点で、メルマガは読まれなくなります。受信側の迷惑メール対策によってはスパムメールと判断され、メールの受信が妨げられるケースも考えられます。顧客の好感度の低下、客離れの原因にもなるため、過度な一斉送信は控えるのが無難です。
セグメント配信のメリット
セグメント配信を活用すると、ユーザーの属性ごとに興味・関心のある情報を送り分けられるようになるため、数々のメリットを得られます。ここでは、代表的なメリットについてご紹介します。
開封率が上がる
ユーザーにとって有益な情報が記載されているメールは、開封率が向上しやすい傾向にあります。さらにメール内に設置された、リンク先のURLをクリックするユーザーの増加も見込まれるため、クリック率やコンバージョン率にも良い影響があるでしょう。
顧客関係の維持
ユーザーの行動パターンや興味・関心に沿った配信を行うことにより、顧客関係を維持しやすくなります。はじめは商品の購入につながらなかったとしても、関係を維持し続けることで将来的にリピーターになる可能性があるため、自社に対する興味を失わせないことが大切です。
セグメント配信の注意点・デメリット
セグメント配信にはメリットがある一方で注意点やデメリットもあります。
配信準備に時間がかかる
ユーザーの分類を行う必要があるため、配信準備にはある程度まとまった時間がかかります。加えて分類ごとに個別の文章を準備しなければならないことから、一斉配信メールに比べて本文の作成にかかる作業量は増える傾向にあります。
セグメントが不適切だと効果が出にくい
セグメントの条件を細かく設定しすぎると効果が出にくいため、分類作業には慎重に取り組む必要があるでしょう。まずは、メルマガを通して「最終的にユーザーにどんな行動を起こしてもらいたいのか」といったゴールを設定しなければ、効果の出やすいセグメントができません。セグメントごとに目的・ゴールの設定を入念に行うところから始めましょう。
セグメント配信と一斉送信の使い分け
セグメント配信と一斉送信にはそれぞれ異なった特徴があります。開封率については前述の通りセグメント配信の方が高い傾向にありますが、一斉送信にもメリットがないわけではありません。
そこでここでは、セグメント配信と一斉送信の使い分けについてご紹介します。
こんなときはセグメント配信
セグメント配信の最大のメリットは、ターゲットのニーズに合わせたメールを配信することができるという点です。ただしニーズに合わせた配信の場合、どうしても似通った内容のメールが増えてしまいます。その結果として開封率が下がってしまう可能性もあります。
セグメント配信が高い効果を発揮するのが、新商品やサービスの提案です。ニーズを把握していれば適切な商品やサービスを提案することができますので、より効果を高めることができます。
さらに特定の属性の顧客に限定して反応を確かめたいといった場合にも、セグメント配信は有効です。いくつかの層に同じ内容のメールを送信して反応をチェックすることで、さまざまなデータを得ることができます。
こんなときは一斉送信
一斉送信の最大のメリットは、大量のメールを一気に送信することができるという点です。幅広い顧客に対して同じ内容のメールを送るため、セグメント配信に比べ開封率が下がる可能性も十分にあります。しかし多くの顧客に対してアプローチし、全体の中から可能性を探りたい場合は、ターゲットを絞り込むセグメント配信よりも一斉送信の方が適しています。
加えてさまざまな選択肢で幅広い顧客に対してアプローチしたい場合や、属性を限定せずにあらゆる層の顧客の反応を知りたい場合などにも一斉送信は有効です。
このようにセグメント配信と一斉送信をうまく使い分けることができれば、メールマーケティングの精度をより高めることができます。
顧客を分類化する作業「セグメンテーション」
顧客を特定の条件別にセグメント分けする作業を「セグメンテーション」と呼びます。
セグメンテーションは、セグメント配信において大切な作業です。ここでは、セグメンテーションの方法と実際の分類例をご紹介します。
セグメンテーションで顧客をグループ化する
セグメンテーションの方法にはさまざまなものがあります。特に一般的なのは、顧客を「属性」と「行動」の2つの視点で分ける方法です。
- 属性:年齢、性別、居住地、職業、趣味など
- 行動:商品の購入頻度、サービス利用頻度、メール開封率、セミナー・イベントの参加頻度、商品購入から経過した日数、サイト訪問回数など
以下では商品の販促を例に、行動で分類して3つのセグメントに分けた例をご紹介します。
関連記事はこちらメルマガ効果UPの鍵はペルソナ⁉ペルソナ設定方法やポイントを知ろう
グループ1.長期的なリピートが見込める顧客
このグループの顧客は、商品やサービスに愛着を持ってくれるため、長期的なリピートが期待できます。グルーピングした顧客の育成は継続的な売上アップのカギとなるため、セグメントメールの配信にも力を入れましょう。
グループ分けの方法
長期リピートが見込める顧客を見極めるためには、商品の購入回数や離反する割合、タイミングなどを分析する必要があります。
例えば、ひとつの新商品を販売したとします。1回目は90%の顧客が購入したが、2回目は60%まで、3回目は30%まで減少し、それ以降の減少は緩やかになったとします。この例では、減少が緩やかになる3回目を分岐点にすることで、長期的に利用する顧客とそうでない顧客を振り分けることができます。
メールでの訴求方法
メールを届ける際は、内容に特別感を演出しましょう。顧客に「自分だけ特別」だと感じてもらえるため、離反しにくくなります。割引サービスであれば、ただ値段を安くすのではなく「お得意様に限定の割引」や「新商品の先行販売」を打ち出すことで、特別感のあるメールに仕上がります。
グループ2.一定期間はリピートが見込める顧客
このグループの顧客は、上記の長期リピートが見込める顧客ほどではありませんが、一定期間は商品やサービスを利用してくれると期待できます。商品に対して何かしら興味があり、商品を使って良い結果が出れば長期リピーターとなる可能性があります。しかし、結果的に何のベネフィットも得られなければ購入をやめてしまいます。
グループ分けの方法
ここでも、購入回数や離反の傾向を分析するのが効果的です。購入1回目~3回目までは着実にリピートしており、それ以降は購入をやめてしまう顧客は、一定期間のリピートが見込める顧客だと考えられます。
メールでの訴求方法
このグループの顧客にメールを送る場合、リピート期間中は確実に商品を購入してもらうようにすることが大切です。例えば、商品を効果的に使う方法を紹介したり、質問を受け付けたりなどのメールが効果的です。こうすることで、商品を利用していない顧客や効果的な使い方をわかっていない顧客の問題を解決して次回の購入につなげやすくなります。
このグループの顧客は一定期間が過ぎると購入やメルマガの購読をやめてしまう可能性があるため、それまでに商品理解を深めるためのメールを配信しつつ、別の商品を勧めるクロスセルへつなげることが大切です。そこで勧めた商品が顧客にとって嬉しいものなら、さらなるリピートが期待できます。
グループ3.リピートが見込めない顧客
こちらはグループ1や2と比較すると購入単価は高いものの、リピート購入の可能性が低い顧客グループです。その多くは、商品に関する良い口コミを見て興味を引かれて購入に踏み切ります。ただし商品に関する評判を気にしやすいため、別に評判の良いタイプの商品があればそちらに流れてしまいます。
メールでの訴求内容
このグループの顧客はある程度の時間が経ったら離れてしまうため、メルマガでの呼び戻しは困難です。
ただし一時的な売上アップにつながるため、定期的に獲得したい顧客タイプと言えます。そのためには、口コミや導入事例などを通し、商品やサービスの有効性を伝えることが大切です。単発での商品購入が多いことを見込み、○○パックや○○セットなどを打ち出すことでまとめ買いを狙うのも効果的です。
セグメント配信の効果的な使い方
セグメント配信するメールは、HTML形式で作成することをおすすめします。HTMLメールは画像や動画の挿入、テキストのフォント変更が可能です。文字だけのテキストに比べて視覚的な訴求力があり、顧客に強くアプローチできます。
加えて、メルマガ内に設置したリンクによって開封率やクリック数、コンバージョン数の効果測定が可能です。これらの情報を分析し、メールマーケティングの精度を高めることができます。
セグメント配信は、一斉送信よりも作業コストがかかります。マーケティングオートメーションを活用することで、セグメント配信の運用を自動化できます。マーケティングオートメーションとは、顧客開拓におけるマーケティング業務を可視化、自動化するツールのことです。この場合、顧客のサイト訪問をトリガーにメール配信を行うよう設定します。
併せてメールの開封率やクリック数の測定、顧客のサイト訪問時の行動分析なども行います。分析データを元にセグメンテーションを行えば、よりニーズにマッチする情報を提供できるようになります。
セグメント配信のテクニック
セグメント配信の効果をより高めるためには、次の3つのポイントに注意して施策を進めることが大切です。
お客様の立場で考える
お客様が知りたいと思っている情報は何か、どのようなメールであれば次も読みたいと思うのかなど、常にお客様の目線に立った配信を心がけましょう。成果を急ぐあまり商品の紹介ばかりを執拗に並べたメールを送ってしまうと、次からは読んでもらえなくなってしまうかもしれません。
差し込み機能を有効に活用
セグメント配信の場合は、差し込み機能の活用がコンバージョン率を左右するとも言われています。冒頭に宛先と差出人の名前を記載し、文末には連絡先や営業担当者などの情報を差し込み、一般的なビジネスメールのように見える形で送信しましょう。
自動化で作業効率を上げる
自動化が可能な配信においてはできるだけ人の手を介さないようにすると、作業効率が格段に向上します。シナリオ機能などをうまく活用して、少しでも時間的コストを削減しましょう。
セグメント配信を改善する方法
セグメント配信では、セグメンテーションの改善を繰り返すことが大切です。顧客のニーズは時間の経過に応じて変化するため、同じセグメンテーションのままでは効果が下がってしまいます。検証の結果に応じてセグメンテーションを見直すことで、商品購入率の上昇につながります。
メールの配信効果を計測するおすすめの方法に、メルマガやWebサイト制作などで広く使われているA/Bテストがあります。A/Bテストとは、異なる2つのパターンを試し、どちらの効果が高いかをチェックするテストです。
セグメンテーションの改善には、別々のセグメントに同じ内容のメールを送ってみるテストが有効です。その結果によって、その内容のメールがどのセグメントに適しているかがわかります。
セグメンテーションの改善の他にも、A/Bテストはさまざまなメルマガ改善に役立ちます。
差出人名
件名に記載する差出人名によって、開封率が変わることがあります。実名を出す、親しみやすいペンネームを作るなど、さまざまなパターンがA/Bテストしましょう。
コンテンツ内容
顧客が読み疲れを起こしたり、流し読みをしたりしないよう、コンテンツの内容や長さをテストして最適なパターンを探しましょう。
配信時間と日時
さまざまなパターンの配信時間、日時でメールを送ることで、その中から効果の高い時間帯を探します。
関連記事はこちら最適なメルマガの配信頻度とは?最適な頻度を見極めるポイントを紹介!
メール配信サービスを活用
セグメント配信を行うには、さまざまな機能を持つメール配信サービスが役立ちます。メール配信サービスを選ぶ際は、セグメント配信に対応しているかを確認しましょう。数あるメール配信サービスの中でも、「配配メール」はセグメント配信ができるだけでなく、使いやすさでも評判を得ています。
配配メールはセグメント配信機能の他、以下のような機能を搭載しています。
効果測定
配信後の開封率やクリック率などの効果を測定し、結果をグラフ化する機能です。セグメント配信の効果を高めるためにも役立ちます。
顧客データベース項目
配配メールでは、セグメンテーションに使用する顧客データベース項目を追加できます。30項目分は基本料金で使用でき、追加料金で50項目や100項目まで顧客データベースの容量を引き上げられます。
外部システムとの連携オプション
配配メールは、外部システムとの連携が可能です。エクセルや顧客管理システムなどに保管していた顧客データも、配配メールを導入すれば自動で同期できるので手動で移し替える必要がありません。
セグメント配信の活用例
セグメント配信の活用例には、見込み客の属性に合わせる方法と、Webの行動履歴を利用する方法の主に2種類があります。
見込み客の属性に合わせる
見込み客の属性に合わせて配信内容を変更することで、配信内容をより身近に感じてもらえるようになり、自社に対する興味・関心が高まりやすくなります。
例えば食品業界の見込み客に対して、同じ食品業界への導入事例を紹介するコンテンツを配信するなどの例が挙げられます。
反対に、中小企業に対して大企業の事例を配信しても、なかなか身近に感じてもらうことは難しいでしょう。従業員数が100人程度の見込み客には、同じ規模感の事例を紹介するなどの工夫も、自社に対する関心を効率的に引き上げるポイントのひとつです。
Webの行動履歴を利用する
Webの行動履歴を活用してセグメント配信を行うのも効果的な手法のひとつです。
見込み客の開封率が高いメールを抽出したり、自社のWebサイトで特によく閲覧されているコンテンツを探し出したりして、見込み客はどのようなコンテンツに興味・関心をもっているのかを見極めます。そのうえで、セグメント別に配信内容を考えていくと、効果の高い配信が可能になります。
セグメント配信の事例
ここでは、実際にセグメント配信を活用している具体的な事例を2つご紹介します。
サッポロビール
飲料メーカーのサッポロビールでは、Webサイトの会員に対してセグメント配信を活用しています。
「特定地域に住んでいる会員に対して、該当する地域で限定販売しているビールの情報を発信する」「特定のコンテンツに関心をもっている会員に限定して、製品案内を配信する」などのセグメント配信を取り入れることで、会員のリアクションを測定しやすくなり、マーケティングを効率的に進められるようになりました。
株式会社ビッグビート
イベント企画などを行うビッグビートでは、セグメント別に配信内容を変えてメルマガを配信する取り組みを行っています。
グローバルな視点で経営戦略を練りたいと考えているセグメントに対してはグローバルマーケティングに関連したセミナーを案内するなどのセグメント配信により、メルマガ内のリンクから特設ページに訪問する見込み客を1.5倍以上に増やすことに成功しました。
セグメント配信は絞り込みと調査の繰り返しが大切!
セグメント配信は、顧客のニーズに合わせてメルマガを配信できる配信方法です。セグメント配信で十分な効果を得るためには、セグメンテーションによる顧客のグループ分けを行い、グループごとに適した配信戦略を立てることが大切です。またセグメンテーションは1回だけで終わらせず、効果測定の結果に応じて変更を重ねましょう。
セグメント配信を効率よく運用するには、メール配信サービスが必須です。セグメント配信の戦略を立てつつ、自社に適したメール配信サービスを吟味してみてください。
「配配メール」は、企業の集客・販促活動に携わる方のメールマーケティング業務を支援するサービスです。
シンプルな配信操作、見やすい成果指標レポート、メールの反応による見込み客の可視化、サイト来訪通知といった機能によりメールマーケティングの実践をサポートします。
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