訪問営業は時代遅れの手法?目的やメリットとは?コツと注意点も解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

訪問営業は時代遅れの手法?目的やメリットとは?コツと注意点も解説

訪問営業とは、相手の会社や自宅を直接訪問して実施する営業のことです。オンライン化が進んだ現代においては、少し時代遅れのように感じるかもしれません。実際、訪問営業は時代遅れの方法なのか、目的やメリット、成功のためのコツについて説明します。

目次

    訪問営業とは?

    訪問営業とは、相手の会社や自宅を訪問して営業することです。

    顧客に直接会って営業をおこなうため、相手の様子や話から「どのような商品・サービスを求めているか」「自社商品・サービスに対して興味を持っているか」などを判断できるのが特徴です。また、営業担当者が相手1人に対して時間をかけて説明するため、誠実さやまじめさなどを感じ取ってもらいやすいメリットもあります。

    従来、営業といえばほぼ訪問営業のことを指していました。しかし、インターネットや電話などで離れたところにいる相手とも簡単にコンタクトを取れる現代では、営業手法も多様化し、電話やメール、SNSなどを用いた営業をおこなうこともあります。

    とはいえ、訪問営業の価値がなくなったのではありません。「対面でないと信用できない」「インターネットを使った説明では不安が残る」と感じる人もまだまだ多く、訪問営業は有効な営業手法として認識されています。

    訪問営業の方法

    訪問営業は、主に次の2つの方法に分けられます。

    • 事前にアポイントを取り、約束した時間に訪問する
    • 飛び込みで訪問する

    電話やメールなどでアポイントを取り、約束した時間に訪問する方法なら、相手が不在のケースを避けられ、より効率的に営業を進められます。また、訪問する前に自社商品やサービス、そもそも自社がどのような企業なのかをある程度伝えられるので、スムーズに営業を開始できるのもメリットです。

    一方、飛び込み営業とは、アポイントを取らずにいきなり訪問することです。相手のメールアドレスや電話番号を知らなくても営業できるため、営業可能な相手が増える点はメリットといえるでしょう。

    ただし、相手は「何についての営業か」「そもそもどのような会社なのか」を知らないため、営業担当者に対して不信感を抱かれるかもしれません。また、信用できる担当者・会社だと理解した場合でも、そもそも自社商品・サービスに対しての必要性がない可能性もあります。

    その後の商談をスムーズに行いたい場合は、事前にアポイントを取るほうがよいでしょう。アポイントはメールで取ることも可能です。次の記事ではメールでアポイントを取るコツについて説明しています。具体的なメールの文面も、状況別に紹介しています。ぜひご覧ください。

    関連記事はこちら【例文あり】商談が獲得できるアポメールの書き方とコツ

    訪問営業の目的

    訪問営業は、主に次の目的で実施します。

    • 自社商品・サービスの紹介、提案
    • 相手のニーズや悩みのヒアリング
    • 自社商品・サービスに関連する情報提供

    訪問営業は、顧客と信頼関係を築いた後でも実施します。その場合は、次のような目的で実施することがあります。

    • 顧客の困りごとや新たなニーズのヒアリング
    • 新商品・新サービスの紹介、提案
    • トラブルが生じた場合には対応、トラブル解決
    • 自社商品・サービスによって被害を受けた場合には謝罪など
    • 営業担当者変更の挨拶

    訪問営業のメリット

    メールや電話で営業することも可能ですが、訪問営業でしか得られないメリットもあります。とりわけ次の3点は、訪問営業ならではのメリットといえます。

    • 信頼関係を構築できる
    • キャンセルを回避しやすくなる
    • 顧客の様子から提案内容を調整できる

    それぞれのメリットについて、具体的に見ていきましょう。

    信頼関係を構築できる

    オンライン化が進んだとしても、やはり実際に会うのと会わないのでは大きな違いがあります。実際に顔を合わせることで、相手から本音を聞き出し、信頼関係を構築しやすくなるでしょう。

    また、電話での営業では、話す内容でしか自社商品・サービスの魅力を伝えられません。しかし、訪問営業なら、声だけでなく表情でも伝えられるだけでなく、資料や自社商品・サービスを実際に見せることも可能です。より深く自社商品・サービスについて相手に理解してもらえるようになり、契約に導きやすくなるでしょう。

    契約した後も、定期的に訪問営業することにより信頼関係を維持しやすくなります。メールや電話で伝えられる内容でも、あえて訪問営業のスタイルを選ぶことで、顧客に誠意を伝えられるでしょう。顧客側も「わざわざ来てくれた!大切な顧客として扱われているに違いない」と感じ、より一層、信頼関係が強まるかもしれません。

    キャンセルを回避しやすくなる

    電話営業の場合、「忙しいから」という理由で、営業を断られることもあります。また、アポイントを取ってから電話営業をする場合も、「急に用事ができて……」などの理由で営業を断られるかもしれません。

    しかし、訪問営業なら相手の会社や自宅まで足を運ぶため、相手も断りにくくなります。アポイントをキャンセルしづらく感じ、「せっかく来てくれたのだから」と話を聞いてくれる可能性も高まるでしょう。

    また、飛び込み営業なら、アポイントを取らずに訪問するため、そもそもキャンセルが発生しません。営業をする機会を増やすためにも、訪問営業を検討してみましょう。

    顧客の様子から提案内容を調整できる

    訪問営業には、相手の様子を観察できるというメリットがあります。視線の動きや態度(落ち着いている・そわそわしている・興味を持っている・無関心など)からも、相手がどのような気持ちを持っているかを判断しやすくなります。

    電話営業でも相手の話し方や声のトーンなどで様子を観察できますが、視覚による観察ではないため、十分な情報を得られるわけではありません。実際に対面することで得られる情報も多いため、訪問営業は有効だといえるのです。

    訪問営業により相手の様子を観察すると、相手が本当に求めている商品やサービスについて分析しやすくなります。また、相手がまだ自覚していないニーズに気付き、適切な商品・サービスを提案できるかもしれません。

    なお、相手が自覚していないニーズを発見し、営業につなげていくことをインサイト営業と呼びます。インサイト営業は相手のニーズを先回りして提案する手法のため、相手が「その商品・サービスなら持っている」と反論する可能性が低く、高い確度で契約につなげやすい点も特徴です。

    次の記事では、インサイト営業について詳しく説明しています。ぜひご覧ください。

    関連記事はこちらインサイト営業の基礎知識やメリットを徹底解説

    また、すでに自社商品・サービスを利用している顧客に訪問営業を実施すれば、顧客本人だけでなく、会社からも情報を得られます。

    たとえば防犯目的のセキュリティシステムを提供している場合なら、契約後の顧客の会社を定期的に訪問することで、新たなニーズに気付くことがあるかもしれません。

    「倉庫を増やされたのですね!こちらにも防犯カメラを設置しましょうか?」 「敷地内に出入りする車が多いですね。お取引様にご不便をおかけしないように、入場システムを導入されてはいかがでしょうか?」
    といったように、新たなニーズに基づいた具体的な提案が可能になり、より確度の高い営業を実現しやすくなります。

    訪問営業のコツと注意点

    メリットの多い訪問営業ですが、いくつか注意点もあります。訪問営業により成果を得るためにも、次の4つのポイントに留意してください。

    • 適切な時間帯を選ぶ
    • 適切な頻度で訪問する
    • 相手との約束を守る
    • 手土産も検討する

    それぞれの注意点について説明します。

    適切な時間帯を選ぶ

    訪問営業は、適切な時間帯を選ぶことが必要です。アポイントを取ってから訪問する場合であれば、相手の都合を反映した時間帯に営業できますが、飛び込み営業の場合は営業する側が適切な時間を選ばなくてはいけません。

    適切な時間帯を選ばずに訪問すると、「忙しいから」と断られる可能性が高くなるだけでなく、「〇〇社は非常識な会社だ」と認識されてしまい、将来的に営業できなくなってしまう可能性があります。企業や商品・サービスに対して好印象を持ってもらうためにも、適切な時間帯を選ぶようにしましょう。

    適切な時間帯は企業・個人によって異なります。次の時間帯を除く就業時間内であれば、営業を受け入れてもらいやすくなるかもしれません。

    • 相手企業の営業時間の開始直後・終業直前
    • ランチの時間

    朝、仕事が始まってすぐの時間帯は、業務連絡や朝礼、メール対応などで忙しい傾向にあります。また、終業直前も帰宅の準備をするため、営業担当者の話をじっくりと聞く余裕はないことが一般的です。訪問先の営業時間を事前に調べ、開始直後・終業直前でないことを確認してから伺うようにしましょう。

    ランチの時間も訪問営業は避けるほうがよいでしょう。「営業時間内は忙しいため、ランチの時間しかゆっくりとできない」と考える方もいるかもしれませんが、「ランチの時間くらいはゆっくりしたい、仕事にかかわることはしたくない」と考える方も多いです。相手に不快感を与えないためにも、ランチの時間帯は避けましょう。

    適切な頻度で訪問する

    顧客に対して訪問営業をする場合は、適切な頻度に調整することも大切なポイントです。あまりにも頻繁に訪問すると、しつこい印象を与えかねません。

    しかし、訪問頻度が空きすぎると、顧客と良好な関係を築くことが難しくなります。顧客のニーズや状況を加味した上で数ヶ月に一度のペースで訪問し、「お困りのことはないですか?」「〇〇をお使い頂けていますか?」と尋ねるのも良いでしょう。

    相手との約束を守る

    相手との約束を守ることは、ビジネスだけでなく人間関係の基本中の基本です。信頼関係を構築するためにも、訪問時間を正確に守り、万が一遅くなるときは早めに連絡を入れるようにしましょう。

    また、約束したことに気付かず、顧客との信頼関係が崩れることもあるため注意が必要です。たとえば、会話のなかで軽く「調べておきますね」「その資料については次回お持ちしますね」と口約束をして、そのまま忘れてしまうこともあるかもしれません。

    顧客との良好な関係を継続するためにも、口約束であっても忘れずに実行することが大切です。会話の途中であっても、「忘れないようにメモしておきますね!」と手帳に書き込み、約束を果たせるようにしておきましょう。

    手土産も検討する

    訪問するたびに手土産を持っていく必要はありませんが、時折、ちょっとしたプレゼントを用意してもよいかもしれません。たとえば自社の新商品やノベルティなどなら、負担なくプレゼントできます。また、相手企業の創立記念日や新社屋完成などのタイミングで、花などのお祝いをプレゼントするのもおすすめです。

    訪問営業に適用される規制

    訪問営業を実施するときは、次の3つの法規制も確認しておきましょう。

    特定商取引法およびクーリングオフ制度は、訪問営業先が「個人」の場合に適用されます。つまり、訪問営業先が「事業者」である場合は、適用外となります。
    しかし、顧客との良い関係を構築しながら営業を行うためには、訪問先が事業者であっても、これらの法規制を意識して営業を行うようにしましょう。

    • 特定商取引法
    • クーリングオフ制度
    • 不退去罪

    それぞれの法規制と注意点について説明します。

    特定商取引法

    原則として、事業者が個人の自宅等に訪問して行う訪問営業はアポイントを取る・取らないにかかわらず特定商取引法の規制対象です。特定商取引法では、主に次の4つのルールが定められています。

    • 氏名の明示
    • 再勧誘の禁止(勧誘の意思確認)
    • 書面交付
    • 禁止事項

    氏名の明示

    訪問営業を開始する前に、相手に企業名称を正確に伝えることが必要です。名刺を渡せば、社名と営業担当者の名前を正確に伝えられるため、誤解なく訪問営業を開始しやすくなります。

    また、営業の目的と営業する商品・サービスについても明確に伝えます。たとえば商品の販売目的で訪問しているときなら、「お客様に有益な情報をお伝えしに参りました」では正確とはいえません。率直に「お客様に自社商品をご購入いただくために参りました」と伝えましょう。

    再勧誘の禁止

    まず、相手に勧誘を受ける意思があるかを確認しましょう。「ご説明してもよろしいでしょうか?」「お時間を少しいただけますでしょうか?」と尋ね、相手が了承したときのみ営業をおこないます。

    もし相手が「結構です」と営業を受ける意思がないことを示したときは、営業をしないだけでなく、その後も改めて営業行為をおこなうことは禁止されています。

    書面交付

    営業により契約に至ったときは、次の内容を記した契約書を作成し、相手に交付しなくてはいけません。

    • 商品・サービスの種類
    • 商品の金額、支払い方法、支払時期
    • 商品・サービスの提供時期
    • 契約解除、申込の撤回の条件
    • 自社の名称・住所・電話番号・代表者氏名
    • 営業担当者の氏名
    • 契約締結日、商品名・商標・型式・数量など
    • 商品・サービスに問題があるときや解除に関する定めや特約がある場合はその内容

    禁止事項

    訪問営業において、事実とは異なる情報を相手に伝えることや、逆に故意に事実を告げないことは禁止されています。解約できないように威迫し困惑させることなども禁止事項です。

    万が一、禁止事項をおこなったときは、業務改善の指示や業務停止命令などの行政処分を受けることにもなりかねません。正しく特定商取引法を理解してから訪問営業を開始しましょう。

    クーリングオフ制度

    訪問営業では、民事ルールとしてクーリングオフも適用されることがあります。クーリングオフ制度とは、契約書を受け取ってから数えて8日以内であれば、消費者は契約した事業者に対して申し込みの撤回や契約解除を請求できる制度です。

    ただし消費者が消耗品を使ってしまった場合や、現金で3,000円未満の取引に関してはクーリングオフ制度の対象とはなりません。相手に誤解を与えないためにも、クーリングオフ制度の対象外となるときは、事前に説明しておくようにしましょう。

    不退去罪

    不退去罪とは、他人の住居、建造物、艦船に、適法に又は過失によって立ち入ったのち、出ていくように要求を受けたにもかかわらず、退去せずにそのまま居座り続けることで罪が成立する犯罪です。

    例えば、訪問先から営業を断られたにも関わらず、居座り営業を続けた場合、不退去罪として罪に問われる可能性があります。

    訪問営業は断られることが多いため、時にはうまく切り返すことも必要ですが、あまりにもしつこく営業をしては、罪に問われることもありますし、お客様からの印象も悪くなってしまいます。それだけでなく、企業の信用度にも影響しますので、相手の意思を無視したしつこい営業は避けるべきです。

    訪問営業は時代遅れ?新しい営業方法を紹介

    訪問営業は有効な営業方法ですが、新しい営業方法も採用し、併用していくようにしましょう。注目を集めている新しい営業方法を紹介します。

    オンライン営業

    オンラインによる営業手法としては、Web会議システムやメール、チャットツールなどを使用したものが挙げられます。相手の会社・自宅へ出向く時間を省けるため業務効率化を実現できることもメリットです。

    営業のオンライン化・デジタル化は、今後もますます重要になると考えられています。次の記事では、営業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)についてわかりやすくまとめました。具体的な取り組み事例なども紹介しています。ぜひ参考にしてください。

    関連記事はこちら営業におけるDXの重要性やメリット、具体的な取り組み事例を紹介

    インバウンド営業

    訪問営業やメール・電話での営業は、いずれも商品・サービスの提供者側からの営業です。このようなアウトバウンド営業に対して、見込み客からの問い合わせにより開始する営業をインバウンド営業と呼びます。

    たとえば自社ホームページやWeb広告などで商品・サービスの情報を紹介し、見込み客からの問い合わせを待ちます。インバウンド営業は相手がすでに自社商品・サービスに関心を持っているため、契約につなげやすい点が特徴です。

    まとめ

    訪問営業は時代遅れの手法ではありません。顧客との信頼関係を構築するためにも、必要な営業手法といえます。

    ただし、訪問営業は特定商取引法やクーリングオフ制度の規制を受けることがあります。正しく理解し、適切な営業を実施していきましょう。

    「配配メール」は、企業の集客・販促活動に携わる方のメールマーケティング業務を支援するサービスです。
    シンプルな配信操作、見やすい成果指標レポート、メールの反応による見込み客の可視化、サイト来訪通知といった機能によりメールマーケティングの実践をサポートします。
    また、機能の提供だけではなく、ナレッジ提供や個社の運用に踏み込んだ手厚いアフターフォローにより、お客様の販促の成功に向け伴走します。
    メール配信の初心者から本格的なメールマーケティングの実践を目指している方まで、どなたでも安心してお使いいただけるサービスとして、お客様に長く愛され、98%の継続利用率を維持しています。

    記事執筆者紹介

    記事執筆者 山盛 有希子紹介
    山盛 有希子著者山盛 有希子のXへのリンク
    株式会社ラクス ラクスクラウド企画部 オンラインプロモーション課

    自動車部品メーカーで広報として3年間従事し、2020年6月にラクス入社。オンラインマーケティングチームに所属し、メルマガ運用やメルラボの企画・コンテンツ作成を担当。社内外向けにセミナーや勉強会を行い、メールマーケティングのナレッジを提供している。

    無料でもらえる

    今なら売上UPノウハウが詰まった
    メルマガ成功事例集をプレゼント!

    資料請求・お問い合わせ

    03-6675-3612

    受付時間 | 平日 9:00~18:00 (土日祝日除く)