インサイドセールスとは?基礎知識から成功のためのポイント・コツ・事例を紹介

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インサイドセールスとは?基礎知識から成功のためのポイント・コツ・事例を紹介

この記事ではインサイドセールスについて、基礎知識や他の営業手法との違い、導入や運用を成功させるためのポイントなどを詳しく解説しま

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目次

    インサイドセールスとは

    インサイドセールスとは、オフィスやワークスペース、自宅などから電話やメール、ビデオ会議システムやビジネスチャットツールなどを活用して非対面で行う営業活動の総称です。
    フィールドセールス(営業担当者と顧客が直接対面して商談・契約を進める営業手法)と異なり、商談やプレゼンテーション、受発注などの営業活動をオンライン上で完結させることができます。

    従来の営業活動のスタイルはフィールドセールスを主体としつつ、営業担当者がインサイドセールスも兼任していることが常でした。しかし、従来の営業活動ではアポイントや商談など一連のプロセスが属人的なものになったり、情報が共有されずブラックボックス化を引き起こしたりと、非効率的な側面が課題となっていました。
    ただ、近年のIT技術の急速な進歩によって、営業支援システム(SFA)やマーケティングオートメーション(MA)などのツールが出現しました。これらのツールによって課題であった営業活動のプロセスや情報共有などの、オペレーションを標準化できるようになりました。

    このように、従来の課題をできる限り解消し、より効率的な営業活動を行うための戦略として発展したのが、現代のインサイドセールスです。

    インサイドセールスの役割

    オンライン上で営業活動を進めるインサイドセールスは、マーケティング活動、特にWebマーケティングとの距離が近いという特徴があります。

    広告展開やSEO施策などでリード(見込み客)を獲得する「リードジェネレーション」や、実際の取引先になるよう、検討確度の向上を促す「リードナーチャリング」などをマーケティング部門が実行しつつ、獲得したリードへ継続的なアプローチを行い成約へと結びつけるのがインサイドセールスの役割です。
    加えて、リードとの「最初の接点」としてより良い体験を与えるのも、インサイドセールスの役割です。機械的なシステムで集めたリードに対して「人と人」のコミュニケーションを介してサービスや製品の長所や魅力を伝え、段階的に顧客として成長させることができる重要な使命を担っています。

    インサイドセールスとフィールドセールスを営業プロセスによって分業化している組織や、営業=インサイドセールスとなっている組織などさまざまですが、基本的には商談やクロージング、カスタマーサクセスなど幅広い役割を担うことが多いです。

    関連記事はこちら社内におけるインサイドセールスの役割を解説

    フィールドセールスとの違い

    インサイドセールスとフィールドセールスの違いは、前述の通り「電話やインターネットを活用して非対面で営業活動や商談を行う」か「実際の現場で対面での営業活動や商談を行う」か、という業務スタイルの差異にあります。
    客先への移動や商談の設定に大きな手間を伴うフィールドセールスに比べ、商談1件ごとにかける工数を大幅に削減できるインサイドセールスは効率の良い営業活動が行えます。

    しかしオンライン上で営業活動を完結させることはまだまだ主流ではなく、フィールドセールスの対面営業というスタイルが持つ情報量の多さと、商談ごとの密度の高さを重視する企業が多くあります。
    昨今では、一連の営業活動のプロセスにおいて両者を効果的に組み合わせるハイブリッド型の営業が主流とされています。

    関連記事はこちらインサイドセールス・フィールドセールスの違いとその役割とは

    テレアポとの違い

    インサイドセールスについて、電話やメールなどで遠隔による営業活動を行う性質上、テレアポなどの電話営業と同一視されることが多々あります。しかし、両者は似て非なるもので、KPI(重要業績評価指標)として設定される目標や成果の指標、役割などで異なります。

    まず、インサイドセールスの目標は「顧客の検討確度向上の促進」や「長期的な関係性の構築」といった「質」を追い求めるものになります。それに対し、テレアポなどの営業活動では「アポイント数の増加」や「顧客とのファーストコンタクト数増加」といった「量」を追求するものです。

    例えば、インサイドセールスで設定されることが多いKPIに「案件化率」という指標があります。これはリード総数のうち、案件ベースとして落とし込めた件数の割合を数値化したものです。リード100名に対し、20名を案件化できた場合は案件化率が20%となります。
    対して、テレアポで主流のKPIに「稼働率」という指標があります。これはオペレーターの総稼働時間のうち、顧客対応時間が占める割合を算出するためのものです。稼働率の向上により、1人でも多くの顧客と接点を持つことに重きを置いています。

    テレアポの性質

    テレアポでは多くの場合、顧客との接点をいかに増やすかということが求められます。そのため、基本的には大量のオペレーターにトークスクリプトに沿った対応を実施させ、アポイント数を稼ぐスタイルを取ります。あらかじめ決められたターゲットリストへと架電させ、その中から顧客を見つけ出すという作業です。

    インサイドセールスの性質

    インサイドセールスではMAツールやWeb広告などで獲得した見込みのあるリードのリストを中心にアプローチを行い、その会話内容や顧客の性質、購買意欲などのデータをストックしていきます。データを次の行動のために用いて、長期にわたり顧客との関係性を築いていくまでがインサイドセールスの役割となります。

    このように、一見似通った営業スタイルを持つインサイドセールスとテレアポは、「質の追求」と「量の追求」という違いがあります。
    インサイドセールスとテレアポの違いを比較しつつ、インサイドセールス運用のコツについても解説した関連コンテンツも、あわせてご一読ください。

    関連記事はこちらインサイドセールスとテレアポの違いは質と量!それぞれの特徴と運用のコツ

    インサイドセールスの歴史と、注目される背景

    インサイドセールスの歴史については諸説あるものの、営業支援やマーケティング関連のサービスを提供しているアメリカのXANT社(旧:insidesales.com)の解説によると、その成り立ちは1950年代から60年代にかけて誕生した「テレマーケティング」にあるとされています。

    電話を利用したプロモーションを世界で初めて開始したDial America Marketing社によるテレアポ営業に始まり、その後1980年代後半にかけて「インサイドセールス」として遠隔での営業活動を行うことが定義づけられたとされています。インサイドセールスの誕生には、広大な国土を誇るアメリカの土地事情も関係しており、遠方の顧客や消費者に対するアプローチ手段がなかったことから発展していたと見られています。

    なお、インサイドセールスが注目されるようになった背景としては、大きく分けて以下4つの要素が挙げられます。

    購買プロセス・ビジネスモデルの変化

    従来の消費者の購買プロセスは、企業側から発信されるマスメディア上でのコマーシャルやPR活動を契機とすることがほとんどでした。マーケティングや営業の領域では「AIDMAの法則」として知られ、Attention(認知)→Interest(興味)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)といった流れに即して消費者の行動を予測することができた時代です。

    しかしインターネットの発展などに伴い、消費者の購買プロセスは多様化し、行動パターンは複雑になりました。検索エンジンなどを経由し、消費者が企業から情報を得ずとも自身に必要なサービスや製品を取捨選択することができます。

    多様化する行動パターンを補足するために発展したのが、デジタル領域を中心としたWebマーケティングやコンテンツマーケティングです。同時に、多面化する接点に広く対応するため、フィールドセールス以上にインサイドセールスが重要視されることとなりました。

    それに伴いビジネスモデルも大きく変化を遂げ、サービスや製品を低価格の月額課金で継続的に利用するサブスクリプション型のビジネスモデルが普及しています。
    営業担当者は、従来のように顧客へ商材を販売するポジションから、継続的に顧客の課題を解決するコンサルタントとしての立ち回りが多くなりました。そのためさまざまな需要に対して柔軟に対応していくことが求められます。

    IT・デジタル技術の進化

    消費者の購買プロセスやビジネスモデルを大きく変化させたIT技術の進化も、インサイドセールスの注目度を高めた一因です。
    かつては電話やFAX、ダイレクトメッセージなど限られた施策が遠隔で実践できる営業手法でしたが、現在ではオンライン会議やビジネスチャットなどのWebサービスが普及し、インターネット上でさまざまな接点からユーザーと関われるようになりました。それによりフィールドセールスがインサイドセールスに対して優位とされていた、情報量の多さやコミュニケーションの質といった部分が、技術の発展により大幅に改善されています。

    営業活動において取得できる情報も各システム上でデータ化できるようになり、営業とマーケティングという異なる部門の距離が縮まったことも、インサイドセールスの普及に拍車をかけています。

    慢性的な人材不足に起因する業務効率化の重要性向上

    フィールドセールスを主体とする営業活動には、いわゆる「ヒト・モノ・カネ」の負担がつきものです。多くの人材や予算を要するほか、行動プロセスの随所で移動や商談などの時間も大きな負担となっていました。

    慢性的な人材不足が社会全体で深刻な課題となっている現在、業務効率化の重要性はますます高まっています。そんな中、人件費や移動コストなどを大きく必要とせずに効率的な営業活動ができるインサイドセールスの利点が広く認知され、各組織で主流の戦略として導入されはじめました。

    人手不足を解消して営業活動の効率を最大化することは、今までアプローチの対象外だった層のユーザーにもサービスや製品を広めるチャンスです。インサイドセールスはビジネスに必須の施策という認識は一般化したといっても過言ではありません。

    これらがインサイドセールスに注目が集まるようになった背景です。ほかにもさまざまな理由からインサイドセールスへの関心が高まっています。詳しくは以下の関連記事をご一読ください。

    関連記事はこちらインサイドセールスとは?注目の背景と導入のメリット

    海外と日本で異なるインサイドセールスのやり方

    重要性やメリットが認知され、国内でも普及が進むインサイドセールスですが、海外と日本では進め方に違いがあります。

    日本におけるインサイドセールスは、まだまだ多くの企業でフィールドセールスをバックアップするための補助的なポジションに留まっています。それに対し、アメリカなど海外諸国では初回のコンタクトから商談・交渉、クロージングまでの営業活動をすべてインサイドセールスが請け負うスタイルが主流です。

    国土や文化の違いなどによる影響もあるものの、営業活動における効率化や機会損失のカバーリングを考慮すると、海外でのインサイドセールスを主軸とした営業活動が理想的なモデルだと考えられます。

    インサイドセールスを行う際のコツ

    インサイドセールスの意味合いやほかの営業活動との違い、歴史やメリットなどを整理できたところで、ここからはインサイドセールスを実践する時のコツや導入メリット、成功させるためのポイントなどを解説していきます。

    関連記事はこちらインサイドセールスで成功するためのコツとは?

    インサイドセールスのポイント

    インサイドセールスを行うにあたって重要なポイントは、「組織形態の最適化」と「ツールの活用」です。

    まず、インサイドセールス実践の時に重要となるのが、組織を「分業」と「チーム体制」に最適化させることです。従来の営業担当者がそのままインサイドセールスを兼任するとオペレーションの混乱を招き、結果的に営業活動の効率が下がってしまうことも懸念されます。
    そのため、インサイドセールス専門の部署を社内に設置したり、営業プロセスごとに求められる作業を分業化したりすることが成功のコツとなります。

    それに伴い運用面での効率化と対応スピードの向上を図ることも求められます。例えば、初回コンタクトをMAツールで自動化したり、契約手続を電子化したりすることに注力し、徹底的に営業活動のムダを排除していくことが重要です。

    インサイドセールス導入のメリット・デメリット

    インサイドセールスのコツやポイントについて整理できたところで、インサイドセールスを導入する時に抑えておきたいメリット・デメリットについてご紹介します。

    インサイドセールスのメリット

    インサイドセールス導入のメリットとして挙げられるのは、主に「営業活動の効率向上」「アプローチできるユーザー層の拡大」「属人化の解消」「コストの削減」「数値管理の簡便化」などです。
    前述したように、フィールドセールスで課題とされていた営業活動の属人化や情報のブラックボックス化などを解消することができます。

    関連記事はこちらインサイドセールスのメリットや活用シーンを解説!

    インサイドセールスのデメリット

    インサイドセールス導入の時に想定されるデメリットは、「情報共有のための仕組み構築に工数がかかる」「顧客との関係強化を図りにくい」「新たなノウハウを組織内に定着させる必要がある」などが懸念されます。

    インサイドセールスの実行にあたって最も重要なのが、組織内での情報共有です。オンラインを軸とした分業型の営業スタイルとなるため、部門間での情報伝達に齟齬が生じるとプロセスが破綻する可能性があります。

    また、顧客との関係構築はやはり対面営業と比べると若干不利になる場合もあり、受注や継続的な取引を達成するハードルは上がります。フィールドセールスにおけるセオリーが活用できない場合もあり、人材育成やノウハウの共有も課題となります。

    とはいえ、上記の問題は導入~運用の過程で十分にカバーリングできる要素であり、仕組み化と情報共有を徹底すれば問題なくインサイドセールスを成功させることができます。

    インサイドセールスのタイプ

    インサイドセールスにおける営業スタイルは、以下の2つに大別されます。

    SDR(反響型営業)とは

    SDRとは "Sales Development Representative" の略称で、反響型の営業を中心としたインサイドセールスの形態です。マーケティング部門が集客したリード(見込み客)からの問い合わせ依頼などを受け、営業担当が対応していくスタイルとなります。

    SDRのメリットは、リード側の購買確度が高い状態にあることが挙げられます。何らかの課題を解消したい、必要なサービスや製品を利用したい、といった意思を持った顧客が多くを占めています。そのためインサイドセールス側の役割は要望を商談化し、そのままクロージングへ移行したりフィールドセールスへと受け渡したりすることになります。

    なお、国内におけるインサイドセールスの多くはSDRタイプとなっており、マーケティング部門とフィールドセールス部門を中継するポジションとして運用されています。

    BDR(新規開拓型営業)とは

    BDR(Business Development Representative)とはターゲット層に対してインサイドセールス部門が能動的にアプローチをかける、アウトバウンド型の営業スタイルです。
    主に新規開拓を目的として行われ、ターゲットとして想定される層に向けたセールスを戦略的に展開します。

    一見テレアポ営業などのスタイルと混同され兼ねないような内容ですが、BDRを実施する上ではABM(アカウントベースドマーケティング)と称される、購買プロセスや取引履歴などのアカウントデータを分析した上で確度の高い層を絞り込む手法を使うことが多いため、より効率的に営業活動を行うことができます。

    インサイドセールスの導入事例

    続いて、インサイドセールスの導入事例をご紹介します。

    日本の老舗ソフトウェア企業である富士ソフト株式会社では、営業支援事業を営むSALES BASE株式会社をパートナーとして、課題であった営業効率の改善を実現しました。
    同社では営業リソースがリードの獲得や商談、展示会などさまざまなプロセスに費やされていたため、新規顧客の獲得が伸び悩んでいました。
    そこで、インサイドセールス導入により営業活動を分業化し、セールス部門を商談の進行へと集中させました。すると商談取得率が他社と比較して約2倍にまで上昇し、大きく成果を伸ばす結果へと繋がりました。
    インサイドセールス導入においては活動目標を定量的な指標へと落とし込み、PDCAサイクルの円滑な展開を徹底したようです。

    この事例からは、インサイドセールスの導入で得られるメリットはもちろん、運用時に重要となる要素も知ることができます。
    例えば単にインサイドセールスをフィールドセールスの補助として利用するのではなく、分業体制を確立した上で具体的なKPIに向けた活動を行い、都度改善するサイクルを根気強く繰り返すことが、インサイドセールスの成否を分けるポイントと言えます。

    インサイドセールスが向いているケース、向いていないケース

    ここまでインサイドセールスについて、導入事例などを踏まえて広く解説しました。とはいえ、企業によって扱う商材や提供するサービス、業界特性や商習慣など、さまざまな違いがあるため、一概にインサイドセールスが最適解とは言えないことも事実です。

    そこで、続いてはインサイドセールスが向いているケースとそうでないケースについて解説します。

    インサイドセールスが向いているケース

    インサイドセールスは、一般的にクラウド上でツールを提供するSaaS(Software as a Service)を軸とする企業やサブスクリプション型のサービスや、受諾で特定の作業を代行するサービスを提供する企業などに適しているとされています。

    理由としては受注単価の低さや契約障壁の低さがあり、オンライン上での取引完結を目指しやすいことが挙げられます。高価格で理解が難しい大規模なサービス・製品の購入と比較して、より多くの顧客へと広くサービスを展開するタイプのビジネスにおいて、インサイドセールスの導入は有効です。

    インサイドセールスが向いていないケース

    一方で、インサイドセールスとの相性が良くないのが契約単価や案件規模の大きな分野です。例としては、企業の基幹システム開発・導入といった大規模案件や、経営コンサルティングなどの組織の動向が左右するサービス、製造業における工場機械・生産ラインの販売契約などです。

    いずれも数百万円、数千万円規模の契約内容となることが多く、導入する企業としては経営方針や事業内容を大幅に左右する内容となります。そのためインサイドセールスで決裁を仰ぐハードルは高く、十分な効力が得られない場合があります。

    このようなケースでインサイドセールスを効果的に取り入れる時には、よりマーケティング部門と接近した運用が求められます。問い合わせや資料請求などの初回接点を拡げ、その後の取引を円滑的に進めるための中継役として活用し、フィールドセールスの成功を支援することが大切です。

    インサイドセールスの導入方法

    インサイドセールスを導入するためには、「導入目的の明確化」「運用ルールの策定」「情報共有の仕組み化」「チーム体制の確立」「定量的な指標によるPDCA」などの要素が必要になります。
    単にCRMやSFA、MAといった支援ツールを導入したり、内勤営業チームを立ち上げたりすることがインサイドセールス導入ではありません。ここでは導入方法や目的について詳しくご紹介します。

    インサイドセールスを導入する目的

    まず、導入の検討段階で「なぜ/何のためにインサイドセールスを導入するのか?」という目的を明確化します。
    例えばリードを増大させるためなのか、効率化を推し進めるためなのかといった動機では、インサイドセールスの活用方法は大幅に異なります。そのため、入口の段階で目的を定めることが導入の成否を分けるポイントです。

    もうひとつ導入段階で固めておきたいのが、インサイドセールスに関する運用面のルールや情報共有の仕組みづくりです。
    メールや架電、広告からの問い合わせに対してどのように対応するのか、リードの契約確度や属性によってどう取引を進めていくのか、といったプロセスごとの対応でバラつきが出ないよう、対応を仕組み化してコントロールすることが求められます。
    インサイドセールスにおいて顧客から得られる情報は極めて重要となるため、顧客データや取引内容などの情報伝達に齟齬が生じないよう、統一されたフォーマットに基づく管理体制を整える必要があります。

    インサイドセールスの導入

    導入にあたって「誰が、どこまで、どのような範囲で」業務を進めるかといったチームでの分業体制を明確化することも、インサイドセールスの成否を分ける要素となります。
    インサイドセールス部門として、マーケティング部門やフィールドセールス部門と業務をどう切り分け、共有するかも細かい粒度で定め、部門間でのすれ違いが起きないよう注意が必要です。

    導入から運用期に移行するタイミングで、インサイドセールスの成否をどう判断するかも問題となります。CRMやSFAといった営業プロセスを可視化できるツールを軸として、インサイドセールス部門におけるKPI設定を定量的な指標のもとに定め、都度改善すべくPDCAサイクルを念頭においた目標設計を行いましょう。

    なお、インサイドセールス導入においてはさまざまな業務支援ツールが必要になります。各ツールの詳しい説明や必要とされる理由については、関連コンテンツでも解説しています。
    インサイドセールス導入時の具体的な方法や流れ、ポイントについても以下で詳しく解説しています。

    関連記事はこちらインサイドセールス導入に際して必要なツールとは?

    関連記事はこちら失敗しない!インサイドセールス導入のやり方と3つのポイント

    インサイドセールス成功のためのポイント

    インサイドセールスの導入方法について整理できたところで、続いては成否を分けるポイントを各要素別に解説し、成功のヒントを探っていきます。
    インサイドセールスを成功させるためのポイントについては以下の関連記事もご確認ください。

    関連記事はこちらインサイドセールス導入成功のための3つのポイントとは?

    関連記事はこちらインサイドセールス立ち上げを成功させる!5つのポイントと必須ツール

    関連記事はこちらBtoBの課題やインサイドセールスを成功させるためのポイントを解説

    KPI設定

    インサイドセールスの成否を分ける大きなポイントが、前述したKPI設定の部分です。
    そもそも、インサイドセールスを導入する最終的な目標(KGI)は「企業の生産性を最大化し、より多くの利益を獲得すること」に帰結します。そのためのKPI設定を、導入・運用に際してさまざまなポイントで行うことが成功につながります。

    例えば、セールス担当者の「アポイント獲得数」「商談設定率(案件化率)」「コール数」などがKPI設定の対象です。
    インサイドセールスを行う各担当者が、日次・週次・月次でこれらの数値目標を達成できているかどうかをカウントし、継続的にオペレーション体制を見直すことが重要です。
    ほかにも、フィールドセールスと分業せず営業活用をインサイドセールスが一貫して行う組織体制の場合には「受注件数」「受注率」「案件継続率」などのKPIも成否を測る上で重要な指標となります。
    もしこれらの目標を達成できない状況が続く場合には、営業活動におけるルールやマニュアルなどを見直したり、チームや個人の教育体制を強化したりすることが求められます。

    インサイドセールスのKPI設定に関して、さらに詳しい内容や管理方法などについて解説した関連記事も、あわせてご一読ください。

    関連記事はこちらインサイドセールスのKPIとは?設定のコツと管理方法を徹底解説

    人事体制

    インサイドセールスの成否を分けるポイントとして、目標とするKPIの設計と同じく重要なのが人事体制を整えることです。
    単にインサイドセールスという仕組み自体を導入するだけでは適切な運用はできず、配置する人材やチーム編成の方法を誤ると成功する確立は大きく下落します。

    具体的には、フィールドセールス経験が豊富なメンバーを配置転換することは控えます。営業としての目標設計やルール策定、マニュアルの考案といったマネジメント業務に長けているメンバーをアサインしたり、経験の浅い若手層をインサイドセールス部隊としてまとめ上げたりすることが有効とされています。

    事業内容や業界、組織体制や規模によっても異なりますが、インサイドセールスという営業スタイルが形骸化するような事態を防ぐためにも、人事体制や組織体制には十分な注意が必要です。

    ツール導入

    各営業支援ツールは、インサイドセールスを実践する上で切っても切れない関係です。特に重要となるツールとして下記の3種は必須といっても過言ではありません。

    ・顧客情報の管理やデータ化による共有を行うためのCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)システム
    ・営業プロセスを可視化して案件ごとのステータス共有や課題要素の洗い出しなどを図るSFA(セールス・フォース・オートメーション)
    ・マーケティングやリード拡大に関するさまざまな業務を自動化し、大小さまざまな情報を分析するためのMA(マーケティング・オートメーション)

    メールや架電システムといった基礎的なツールはもちろんのこと、上記のツールを効率よく取り入れることがインサイドセールス成功において不可欠なポイントとなります。
    あわせてChatworkやSlackなどに代表されるビジネス用チャットツールや、ZoomやMicrosoft Teamsなどに代表されるオンライン会議ツール、各種SNS媒体やWebサイトへ設置するチャットボットといった支援ツールの導入も有効です。

    データ活用

    インサイドセールス3種の神器とも言えるCRM・SFA・MAですが、これらを利用する目的はデータ管理や業務支援だけでなく、顧客の行動から得られるデータを活用することも含まれます。

    例えば「リード(見込み客)の流入経路」では、自社サービスに興味を持って問い合わせに至った理由を分析し、どのようなチャネルで集客を試みるべきか、どのようにアプローチすればその後の展開に繋がるのか、などの要素を分析する材料となります。

    ほかにも、アポイント率や成約率といったKPIに関わるデータの可視化や確度の高いユーザー層の発見、失注案件の検証などさまざまな角度から顧客の性質を見極め、インサイドセールスをより良いものにブラッシュアップしていくためにも有効です。

    オペレーションのマニュアル化

    人事体制の項目とも関わる事柄ですが、インサイドセールス成功にあたっては組織内でのオペレーションをマニュアル化し、属人的な運用体制とならないようにハンドリングしていくことも重要になります。

    具体的には、「コンタクト後〇〇日以内に再連絡を行う」「営業に関するログはフォーマットを遵守して残す」「顧客から必ずヒアリングする事項を定める」など、細かくオペレーション上での対応ルールを定めるなどです。このようにマニュアルに基づいた動きを行い、ある程度の成果が見込める体制を整えることが成功のためのポイントです。

    オペレーション体制を緻密なマニュアルとして落とし込むことで、各部門における情報連絡の行き違いや認識の差異、対応漏れなどの改善が期待できます。

    MA(マーケティング・オートメーション)をインサイドセールスに活用する方法

    最後に、インサイドセールスを成功に導く上で欠かせないMA(マーケティング・オートメーション)を活用する方法やポイントについてご紹介します。

    MAツールの性質

    前項でも解説したように、MAはマーケティング活動やリード獲得数増大に関わるタスクを自動化するためのツールです。そもそも、インサイドセールスはマーケティング活動において集客したリード(見込み客)に対して遠隔でアプローチを試み、商談や契約へと繋げるための営業スタイルでもあるため、両者の親和性はきわめて高いと言えます。

    MAツールの活用

    MAツールをインサイドセールスに活用するには、例えば架電対象リストをツール上で確度の高い層にフォーカスして作成したり、MAで得られたデータをもとに最適なアプローチ方法や回数、スケジュールなどを定めたりすることが有効です。
    ほかにも、MA上でリードのステータスを分析することで、失注や発注停止に至った案件の掘り起こしを試みたり、リードごとの確度を可視化したり、優先的にアプローチすべき客層を見極めたりと、インサイドセールスの戦略構築において強力なサポート効果を得ることができます。

    まとめ

    今回はインサイドセールスについて概要や意味合いの整理に始まり、ほかの営業手法との違いや誕生と普及の歴史背景、メリットや導入方法、成功させるためのポイントなどを解説しました。必要性の認識から導入、運用に至るまで、インサイドセールスにまつわるさまざまな課題を解決するヒントとして、都度この記事を参照ください。
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    記事執筆者紹介

    記事執筆者 大塚 陽生紹介
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    株式会社ラクス ラクスクラウド企画部 オンラインプロモーション課

    広告代理店の営業&ウェブ広告の運用担当として6年間従事し、2019年4月ラクス入社。オンラインマーケティングチームに所属し広告運用や営業メールの運用を担当。メルラボでは、主に自身のメール配信実績をもとにした記事を作成。

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