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リードクオリフィケーションとは?具体的な手法やポイントを解説

効率的な営業活動を行うには、商談に発展するかどうかを見極めて成約につながりそうなリードを振り分けるリードクオリフィケーションが重要です。そこで今回は、リードクオリフィケーションの具体的な手法やポイントを解説します。
目次
リードクオリフィケーションとは

リードクオリフィケーションは、顧客との関係性を構築するリードナーチャリングの次のステップに位置付けられているプロセスです。営業部門が効率的に業務を進めるための方法のひとつで、「リードを選別し、絞り込むこと」を指します。
同じリードでもそれぞれの関心度合いはさまざまであり、「現在は購入を考えていないもののそのうち商品の詳細を知りたいと思っている人」や「今すぐ具体的に購入を検討したい人」まで幅広く分布しています。そこで特に関心が高まっている「今すぐ商品を購入したい人」にターゲットを絞り込み、営業部門にリードを引き渡すことをリードクオリフィケーションと呼びます。
CRMとの違い
リードクオリフィケーションは顧客管理を意味するCRMと似ているものとして捉えられがちですが実際には少し異なり、CRMでは「顧客の収益最大化」を目指します。
具体的には顧客一人ひとりの収益を最も高めるためのアプローチを模索する際にCRMを利用して顧客のデータを集めて分析し、最適と思われる方法でリードとコミュニケーションをはかります。いわばCRMは「顧客の価値を最大化するための仕組みづくりの手法」と表現することもできるでしょう。
一方でリードクオリフィケーションはアプローチの方向性を定めるCRMとは異なり、「現在のリードの中から受注する可能性が高いリードを選別すること」を指します。具体的なアプローチの方法を決めるのではなく、あくまでもリードを絞り込む作業そのものがリードクオリフィケーションにあたります。
リードクオリフィケーションの必要性
誰もが気軽にインターネットを利用するようになったことから、商品やサービスの情報を顧客が自ら収集することは珍しくなくなりました。そのため複数の商品やサービスを比較・検討して最も合ったものを選びたいと考える人が増え、検討にかける期間が長期化する傾向にあります。
加えて、訪問営業をして紹介した商品をそのまま購入してもらえる機会が減少したため、「今すぐ欲しいと思っているわけではないが、そのうち購入する可能性はある」というリードの存在を早い段階で把握し、いつでもアプローチできる状態を整えておくことが重要になります。
しかし「すぐに購入する可能性が高いリード」と「いつか購入するかもしれないリード」は選別しそれぞれへ適切なアプローチしなければ、非効率なアプローチになったり販売機会を逃したりするリスクがあります。
リードクオリフィケーションを行うことにより、すぐにフォローしなければならないリードと少しずつ関心を高めていくリードを振り分けることができます。
リードを営業部門に引き渡すまでの3ステップ

リードを選別して営業部門に引き渡すためには、3つのステップがあります。ここでは、それぞれのステップについて詳しく解説します。
1.リードの獲得
まずは、さまざまな手段によってリードを獲得します。Web広告やSNS、展示会、セミナーなどあらゆる手段を使ってリードを獲得する手法を「リードジェネレーション」とも呼び、リード獲得を目指す活動全般を指します。
リード獲得においては、自社の商品やサービスに興味・関心をもつ可能性が高い人の情報を収集することが目的です。まだ商品を購入したいとは思っていなくても、潜在的に需要があるリードをリスト化して顧客との関係性を構築していきます。
2.リードとの関係性構築
リードを獲得した段階では「商品をすぐにでも購入したい」と思われているケースは少なく、売上に結びつく可能性は低い状態にあることが多いといえます。そのため商材の特徴やメリットを知ってもらい、自社の商材に興味をもたせて購入意欲を高めるためのリードナーチャリングを行う必要があります。
リードナーチャリングの手法は、メールマーケティングやオウンドメディアの運用、デモ環境の提供や自社主催のセミナーの開催などが代表的です。検討機会をうかがい、確度を高めたリードはリピーターになる可能性も高く、相手との関係を深めることもリードナーチャリングの役割のひとつといえます。
3.リードの選別
リードナーチャリングで十分に関心が高まり「すぐに商品を購入したい」と考えているリードに対しては、できるだけ優先的なフォローを行うことが大切です。
関心が高いうちにアプローチしなければ競合他社の商品に興味が移り、販売機会を逃してしまうリスクが考えられるでしょう。リードクオリフィケーションによってフォローを優先しなければならない顧客を的確に選別し、営業部門に引き渡すことが重要だといえます。
リードクオリフィケーションの手法
リードクオリフィケーションの手法は、大きく分けて3種類あります。それぞれの手法を十分に理解して活用することが大切です。
シナリオ設計
リードナーチャリングにつなげるためには、リードの現状の関心度合いに合わせて的確にアプローチを行う必要があります。リードの状態を想定して、どのようにアプローチするかをあらかじめ決めておくのがシナリオ設計です。
シナリオ設計を行う際は、自社の商材を提供するターゲットを絞り込む「ターゲティング」、ターゲットをさらに属性によって細かく振り分ける「セグメント設計」、実際に行動を起こしてもらうための「オファー」の3つのプロセスに沿って設計します。
スコアリング
リードクオリフィケーションで優先度の高いリードを選別する際は、具体的な指標を定めておき、「どのリードの関心が高まっているのか」を判断する必要があります。そこでスコアリングを行い、リードの行動を点数化する方法がよく用いられます。
例えばお問い合わせフォームからの問い合わせがあれば2点、セミナーへの申し込みがあれば3点など、点数を加算していき、一定の値に達したらホットリードとみなして営業部門に引き渡します。点数が高いほど商品への関心が高まっており、優先的にフォローする必要があるといえるでしょう。
見込み客の現状把握
獲得したリードが現在どのような状況にあるのかを理解しておかなければ、的確な振り分けは難しくなります。「すぐに商品を購入したい」とは考えていないリードの中にもさまざまな属性があり、セグメントに分けてさまざまなアプローチを行う必要があります。
まずは一人ひとりのリードの情報を詳しく把握し、どのような興味・関心を抱いているのかを知る必要があるといえ、現状把握を十分に行うことでリードクオリフィケーションの精度は高まるでしょう。
セグメンテーション
リードクオリフィケーションを行う際は、見込み客を特定のグループに分けるセグメンテーションを行うのが一般的です。ターゲットの業種や業態、所属、関心などさまざまな項目でセグメンテーションを行い、そのセグメンテーションに基づいてスコアリング施策を実行します。
正確なセグメンテーションを行うためにも、顧客の情報はできるだけ詳細に収集しておくことも重要です。
カスタマージャーニーマップの作成
セグメンテーションを行った後は、分けられたセグメント別にカスタマージャーニーマップを作成します。カスタマージャーニーマップとは「見込み客が自社の商品やサービスを認知してから受注するまでの一連の流れ」を図にあらわしたもので、マーケティング施策を設計する際の基礎となります。
スコアリングを実施する際もまずはカスタマージャーニーマップを作成して、自社の見込み客が受注までにどのようなプロセスをたどるのかを明らかにしてから実施するケースが多いといえるでしょう。
シナリオの効果改善
リードクオリフィケーションにおけるスコアリングは、あらかじめ決定したシナリオに基づいて行われます。この際、一度作成したシナリオをいつまでも使い続けるのではなく、成果を見ながら適宜改善していくことが大切です。
思うように成果が上がらないのであれば、シナリオに改善点がないかどうかを確認してスコアリングを再実施し、改善が見られるかどうかを確かめましょう。
リードクオリフィケーションのポイント
リードクオリフィケーションを行う際は目標を定めて実施し、実施後には成果を振り返ることが重要です。
明確な目標を定める
リードクオリフィケーションを行う際は、具体的な数値目標を設定しましょう。
例えば「注文件数〇件達成」「売上〇%アップ」など具体的な数値を設定することによって組織全体が一丸となって目標に向かって行動できるようになるうえに、「組織としてどのように業務を進めなければならないのか」が明確になります。
さらに、明確な目標があるとKPIを設定することも可能になります。KPIによって一人ひとりが取り組まなければならない業務も明らかになり、より具体性のある営業活動につながるといえるでしょう。
PDCAサイクルを回す
リードクオリフィケーションにはシナリオ設計が有効であるとお伝えしましたが、一度設計したシナリオをずっと使い続けるのではなく、運用しながら少しずつ改善していくことも重要です。
「どのようなシナリオを設計すればさらに成果を上げられるのか」を一定周期で振り返り、内容を見直してKPIやKGIの設定もあらためることでよりシナリオの質が向上し、リードクオリフィケーションの精度も高まると考えられます。
リードクオリフィケーションにはMAツールが便利
リードクオリフィケーションを行うためには、MAツールを活用するのがおすすめです。
リードクオリフィケーションを実施する際は大量の顧客情報を収集・分析する必要があり、一つひとつの顧客情報の取り扱いを手動で行う場合は膨大な手間がかかります。MAツールを導入することで、ある程度リードクオリフィケーションを自動化できるため、業務の効率化につながるといえるでしょう。
まとめ
確度の高いリードを選別するリードクオリフィケーションは、営業活動の効率を高めるために重要なプロセスのひとつです。シナリオ設計やスコアリングなどを駆使して、スムーズにリードを抽出できる仕組みづくりを実現しましょう。
顧客自ら情報収集をする機会も多くなり、従来のような用件を聞き取って商品を用意する営業活動では販売機会を逃しやすい状況となっています。企業主体の積極的なアプローチによって、成約に結びつけることが大切です。
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