ホワイトペーパーの目的やメリット、制作方法を分かりやすく解説!

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ホワイトペーパーの目的やメリット、制作方法を分かりやすく解説!

見込み客を獲得する手段のひとつとして、ホワイトペーパーを用意する企業は数多くあります。リードの育成や顧客満足度の向上、営業資料にも使えるため、時間を見つけて用意しておくことをおすすめします。今回はホワイトペーパーの目的やメリット、制作方法を詳しくご紹介します。

目次

    ホワイトペーパーとは

    元々、欧米で政府が政治における課題を解決するために制作していた文書のことを「ホワイトペーパー」と呼んでいました。これが発展し、現在では「企業が見込み客の課題を解決するためのソリューションを提示する資料」という意味合いでも使われています。

    BtoBにおけるマーケティング戦略の一環として取り入れられるケースが多く、企業の担当者がホワイトペーパーを参考に意思決定を行うケースは少なくありません。主に課題発見を促して新たな見込み客を創出したり、課題の解決方法を提示して確度を高めたりするために活用されます。

    営業資料との違い

    「ホワイトペーパーは営業資料と同じようなものだ」と考える方もいるかもしれませんが、ホワイトペーパーと営業資料には目的の面で違いがあります。
    営業資料は「既に自社の商品やサービスに関心をもっている潜在顧客」に対して自社の商材を紹介するための資料であり、企業がアピールしたい機能やメリット、特徴、利用料金などをまとめたものです。

    一方でホワイトペーパーはあくまでも見込み客の視点に立った資料であり、相手が興味をもっていそうな課題を想定して制作し、その課題を「自社の商材でどのように解決できるのか」を提示するものです。
    自社の商品やサービスを販売することを最終目的に据えるのではなく、見込み客が課題を解決するために役立つ情報を提供することを目的としており、関心を高めるための手段のひとつとして活用します。

    ホワイトペーパーの目的

    ホワイトペーパーは、Webサイトへの集客や新たな見込み客の獲得を目的として使われるケースが多いといえます。加えて、営業ツールのひとつとして活用されるケースもあります。

    ユーザーがWebサイトでホワイトペーパーをダウンロードするためには、企業名や氏名、メールアドレスや電話番号などを入力しなければならない仕様になっていることがほとんどです。ホワイトペーパーを掲載している企業は無料で資料を提供する代わりにこういった情報を得ることで、見込み客を獲得して営業活動につなげることが可能になります。

    ホワイトペーパーの活用は単にリードを獲得するだけでなく、顧客との関係性を構築する「リードナーチャリング」の要素も持ち合わせています。
    近年ではインターネットが発達し、誰もが自ら商品やサービスの情報を調べるようになったことから、従来の営業手法のみでは十分な売上を確保できなくなったと考えられるでしょう。このことから、あらかじめ顧客になりそうなユーザーと接触して信頼関係を構築し、確度を高めるリードナーチャリングが重要視されるようになっています。

    ホワイトペーパーの提供によって獲得したリードは、インサイドセールス部門や営業部門へ引き渡すことでアプローチが開始されます。ホワイトペーパーをダウンロードする見込み客は既に自社の商品やサービスにある程度の関心をもっているケースが多いため、はじめから比較的確度が高いと考えられるでしょう。

    しかし商品やサービスに興味があったとしても、十分な情報を手にしないまま購入を判断するのはユーザーにとって非常にハードルが高いといえます。
    最初から購入を決断させるのではなく、ひとまずホワイトペーパーのダウンロードにより様子を見るというプロセスを挟むことで、見込み客も安心して検討を進められるでしょう。

    ホワイトペーパーを制作するメリット

    ホワイトペーパーの制作には、営業活動におけるいくつかのメリットが考えられます。ここでは、代表的な3つのメリットをご紹介します。

    リードを獲得できる

    前述の通り、制作したホワイトペーパーを自社のWebサイトや他社メディアに掲載すると、ダウンロードの際にメールアドレスなどの個人情報を登録してもらうことになります。結果的に、見込み客(リード)の獲得が期待できるでしょう。

    Webサイトを訪問してきただけでは、ユーザーが「どの程度自社に関心をもっているのか」はわかりません。しかし実際にホワイトペーパーをダウンロードする層は、資料内で扱っている課題や事例に一定以上の興味・関心を抱いている可能性が高いため、確度が高い見込み客を獲得しやすいのがメリットのひとつといえます。

    リードとの関係性構築につながる

    ホワイトペーパーは、見込み客の育成にもつながります。資料の内容に目を通してもらうことで見込み客が抱えている課題や自社の商品・サービスへの理解を高められるうえに、自社との信頼関係を構築しやすくなります。加えて、購買意欲の向上も期待できるでしょう。
    どれだけ質の高い見込み客を獲得できるかは営業活動の効率化や売上の向上にも直結するため、単に見込み客を獲得するだけでなく、ホワイトペーパーによって見込み客の質を高めることも重要です。

    確度を高められる

    制作したホワイトペーパーを見込み客との商談の際に営業ツールとして使用すると、商品やサービスに説得力をもたせて確度を高める効果が期待できます。
    機能を紹介するのみにとどまらず、具体的な事例やアンケート結果などを併せて紹介すると商品に対する安心感と納得感をもたらし、「他の企業も課題を解決できているなら自社でも活用できそうだ」と感じてもらえる可能性が高まるでしょう。

    ダウンロードしたユーザーが社内で説得する時などに役立つ

    ホワイトペーパーは、製品導入時の社内説得に役立ちます。

    業界ノウハウをまとめたホワイトペーパーは知識の浅い社員への説明資料として活用ができます。

    情報収集者と決裁者が異なる場合もあり、稟議書に添付することで説得力を高め、導入を円滑にすることもできます。

    また、営業活動をホワイトペーパーのダウンロードに置き換えることで、多くの見込み客に同時アプローチ可能です。

    営業活動を効率的にできる

    ホワイトペーパーを利用すれば、訪問や電話などの営業活動を代替できるため、営業の効率化が図れます。

    さらに、商談時には提案書や関連資料の作成の手間も省けます。

    PDFなどのデータ形式で作成すれば、オンライン商談にもスムーズに対応可能です。

    ホワイトペーパーの種類

    一口にホワイトペーパーといっても、複数の種類が存在します。ここでは、どのようなタイプがあるのかを一つひとつ詳しくご紹介します。

    事例紹介タイプ

    事例紹介タイプは、ある課題が発生したことを前提として、その課題を自社のソリューションによって解決した事例を紹介するタイプのホワイトペーパーです。ソリューションを導入する前にターゲットが抱えていた課題をあらかじめ紹介しておき、ストーリー性をもたせて「導入によってどのように解決に導いたのか」を解説します。
    解決方法をひと通り提示したら、今後どのようにソリューションの活用を発展させていくのかも併せて紹介するのが一般的です。

    自社の課題を解決したいと考えている見込み客には、「具体的にどのように解決する方法があるのかを知りたい」と考えている人が多い傾向にあります。
    次にご紹介する課題解決タイプと同時にダウンロードされることもよくあるため、確度を高めたい見込み客に効果的です。

    例:

    「導入事例」

    顧客の導入事例を中心に、背景や取り組みの成果を中心に実績を紹介した自社の能力と実績を強調した資料

    ※「〇〇広告の活用事例集」や「福利厚生の導入事例集」など

    課題解決タイプ

    課題解決タイプは、ある一つの課題をテーマに設定し、「なぜそのような課題が発生するに至ったのか」「その課題を解決するためにはどのような方法を取らなければならないのか」を自社の商品やサービスの活用事例を交えて紹介するタイプのホワイトペーパーです。最近ではさまざまなWebサイトでホワイトペーパーが提供されていますが、事例紹介タイプに当てはまるケースは非常に多いといえます。

    課題解決タイプは商品やサービスを活用して具体的に問題を解決する道筋を紹介するため、ユーザーに導入した際のイメージをもってもらいやすいというメリットがあります。加えて、潜在的な課題を抱えているもののまだ自社の課題がどのようなものなのかを把握していない見込み客が、自社の課題に気付くきっかけになる可能性もあります。

    例:

    「入門ガイド」

    対象分野の概要を解説した情報が記載されている資料

    ※「SNSマーケティングの始め方」や「自社メディアサイトの立ち上げ方」など

    例:

    「チェックリスト・テンプレート」

    対象分野のチェックすべき項目をまとめたものやすぐに活用でき頻繁に利用する定型フォーマットを記載した資料

    ※「リスティング広告チェックリスト」や「自社PR動画を作成する時のテンプレート」など

    例:

    「導入効果・費用対効果」

    対象のサービスを導入した際にどれくらいの効果、費用対効果が試算できるのかを記載した資料

    ※「料金資料」や「シミュレーション資料」など

    レポートタイプ

    政府や公的機関、または業界団体などが取りまとめた調査資料を元に、わかりやすく要約したレポートをホワイトペーパーとして公開するタイプもあります。
    公的機関が公表している調査資料は読み取り方が難しいことも多く、「業界動向や国内情勢についてわかりやすくまとめられた資料を読みたい」という需要は少なくありません。そのような情報を求めている見込み客に向けて、既存の資料をまとめてホワイトペーパーとして配布する手法は効果的といえるでしょう。レポートタイプは、自社が調査したアンケートを利用して制作するケースもあります。

    例:

    「業界トレンド」

    特定の業界や製品・サービスに関する最新情報をまとめた資料

    ※「◯◯代のSNS実態調査」や「今利用している〇〇の年齢別ランキング」

    例:

    「マーケットリサーチ」

    特定の分野や業界の市場マーケットを調査してまとめた資料

    ※「〇〇市場動向調査レポート」や「〇〇関連市場の現状と展望」など

    その他

    前述の3種類以外にも、専門用語の解説を独自にまとめた用語集のようなホワイトペーパーや、自社が主催したイベントの報告レポートのようなホワイトペーパーが作られることもあります。

    ホワイトペーパーを制作する手順

    ホワイトペーパーを制作する際は、一般的に次のような手順を踏むことが多いといえます。明確な目的をもって進めることで、効果的なホワイトペーパーを制作できるでしょう。

    1.課題を設定する

    まずは、ホワイトペーパーの中で扱う課題を設定します。自社の商品やサービスを使って解決できる課題はどのようなものなのかをあらかじめ検討・把握しておき、その課題の中から適切なものを選びましょう。
    「事務処理に時間がかかりすぎている状況を改善したい」「人件費を削減したい」など、明確な課題を設定することが大切です。

    2.コンバージョンを設定する

    課題を設定できたら、次はコンバージョンを設定します。 ホワイトペーパーをダウンロードすることで見込み客がどのような行動を起こすのかを想定し、読後にその行動に着地するような内容で制作を進めていくのが一般的です。
    課題解決の事例を見て「この商品やサービスを使えば自社の課題を解決できそうだ」と思わせる内容に仕上げることで、具体的に購入を検討したくなるような方向性に誘導します。

    3.ターゲットを絞り込む

    ホワイトペーパーによって見込み客にどのような行動を取ってもらいたいのかが決まったら、ターゲットをできる限り具体的に絞り込みます。
    ターゲットの設定が明確でないとどの層にもリーチしにくいホワイトペーパーになってしまう可能性があるため、年齢や性別、役職、興味・関心など、さまざまな側面から検討して鮮明なペルソナを想定することが重要です。ターゲットが鮮明になるほどホワイトペーパーの方向性が明確になり、リーチしやすい資料制作につながるといえます。

    4.コンテンツを設計する

    これまでのステップで決めた内容に基づいて、コンテンツ設計を行います。
    ここでいうコンテンツ設計は、ホワイトペーパーの「目次」の部分にあたります。一般的なホワイトペーパーで用いられる課題解決型であれば、「課題の概要→課題の分析→解決方法の提示→自社の商品やサービス紹介」の流れとなることが多いでしょう。

    ホワイトペーパーを制作する際のポイント

    ホワイトペーパーを制作する際のポイント

    ホワイトペーパーを制作する際は、次の3つのポイントに注意して進めることが大切です。平易かつストーリー性のある、相手に寄り添った内容を心がけて制作しましょう。

    専門用語を使わずわかりやすい言葉で

    知識やノウハウを盛り込んだホワイトペーパーを作ろうとすると、専門用語の多い内容になってしまうケースも多いでしょう。しかしユーザーはホワイトペーパーの議題になっている事柄に対してまったく知識がない可能性もあり、専門用語を並べられても理解できずに資料を役立てられないケースも考えられます。

    さらに、専門用語の多いわかりにくい資料を提示されても、最後まで読む気が起きずに途中で投げ出してしまう可能性もあるでしょう。それどころか、「不親切な資料を作る会社だから、きっと相談しても親身になってくれないだろう」と思われる可能性も考えられます。
    ホワイトペーパーを制作する際は、専門用語を使わずにできる限りわかりやすい言葉で解説することが大切です。

    商品を押し売りするような内容は避ける

    ホワイトペーパーではあくまでも知識・ノウハウの紹介や解説にとどめて、商品の紹介はあまり執拗に行わないように注意しましょう。宣伝がメインの内容になってしまうと押し売りのように感じられてしまい、商品や自社に対する不信感を生み出す原因になりかねません。

    例えば「購入しないと損をしますよ」「絶対に当社の商品を購入すべきです」など、あまりにも自社の商品を前面に押し出すような内容は望ましくないでしょう。
    あくまでも「このような課題を解決するなら当社の〇〇という製品がおすすめです」といった柔らかい表現にとどめておくことが大切です。

    ストーリーの流れに気を配る

    ホワイトペーパーを読んでいる相手が思わず商品に興味をもってしまうような、ストーリー性のある内容に仕上げることも大切です。本文を読んで自分事として捉えられないホワイトペーパーは、良い成果を上げることは難しいといえるでしょう。

    見込み客の購買意欲を高めるためには、相手の背景や抱えている課題をできるだけ具体的にイメージして課題解決の方法を提示することが大切です。
    ホワイトペーパーの内容にストーリー性をもたせることで「この商品を使うと自社にどのようなメリットがあるのだろう」と想像してもらえるようになり、購買意欲を掻き立てやすくなるでしょう。
    加えて、自社が「なぜその商品やサービスを開発するに至ったのか」といった経緯なども紹介して、親近感をもたせることも効果的だと考えられます。

    ホワイトペーパーを活用できる媒体

    制作したホワイトペーパーを活用できる媒体としては、主に次の3つが挙げられます。せっかくホワイトペーパーを作っても、適切に活用しなければ効果を発揮できません。さまざまな媒体で展開し、リードの獲得に有効活用しましょう。

    自社のWebサイト

    自社のWebサイトに制作したホワイトペーパーのダウンロードページを掲載し、訪れたユーザーに情報提供を行う方法があります。自社が所有しているWebサイトを活用するため申し込みなどの特別な処理が必要なく、運用コストも最小限に抑えられるのが特徴です。

    しかしWebサイトに訪問する見込み客を十分に確保できていないとダウンロード数も見込めなくなってしまうため、集客施策にも注力する必要があります。広告の出稿やSNSアカウントの運用、自社のメルマガを通じた紹介など、さまざまな手を尽くして集客やホワイトペーパーのダウンロードを促す取り組みが重要だといえるでしょう。

    他社のメディア

    自社のWebサイトに掲載する以外に、他社のメディアにコンテンツを掲載してもらい、その中にダウンロードページのURLを併記することも効果的です。自社で取り扱っている商品やサービスに適したメディアを選択して掲載依頼を行い、訪問者が使ってみたくなるような魅力的な内容の紹介文を掲載しましょう。

    自社メディアとは異なり、他社のメディアにコンテンツを掲載する場合は掲載費用がかかるというデメリットもありますが、自社のWebサイトではリーチが難しい見込み客の獲得が期待できるというメリットがあります。

    営業用資料

    営業用の資料としても、ホワイトペーパーは効果的だといえます。日頃の商談の中で営業ツールのひとつとして使用したり、展示会の配布資料として活用したりすることもおすすめです。

    見込み客は活用事例によって購買意欲を刺激されるケースが少なくないため、ホワイトペーパーの存在は営業活動において効果的だといえるでしょう。商談の中で相手の課題がホワイトペーパーの内容に合致していたり、自社の商品やサービスの効果を裏付ける一押しが欲しかったりする場合に効果的です。

    まとめ

    ホワイトペーパーは、課題の解決に興味をもつ企業の担当者に具体的な事例を紹介し、関心を高めたり検討を促したりすることに役立ちます。

    ホワイトペーパーは自社のWebサイトや外部メディアなどでリード獲得の手段として活用されることが多いツールですが、営業活動の際にも有効だといえます。まだ課題に気がついていない相手が新たに課題を発見する可能性もあり、一度制作するとさまざまな面で活用できるため積極的に取り組むことをおすすめします。

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    記事執筆者紹介

    記事執筆者 大塚 陽生紹介
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    株式会社ラクス ラクスクラウド企画部 オンラインプロモーション課

    広告代理店の営業&ウェブ広告の運用担当として6年間従事し、2019年4月ラクス入社。オンラインマーケティングチームに所属し広告運用や営業メールの運用を担当。メルラボでは、主に自身のメール配信実績をもとにした記事を作成。

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