名刺管理ソフトと顧客管理システム(CRM)の違いや機能、メリットを紹介
名刺管理に適したツールには、名刺管理ソフトや顧客管理システム(CRM)が挙げられます。ただし、それぞれで実現できることや機能などには違いがあるため、導入前にしっかりと内容を理解しておくことが重要です。
この記事では、名刺管理ソフトと顧客管理システム(CRM)の相違点やできること、導入で得られるメリットについて解説します。
目次
名刺管理ソフトとは
名刺管理ソフトとは、名刺に記載されている紙の情報をデータとして取り込んで一元管理し、社内の各部署で情報共有するソフトのことです。名刺をそのまま画像化するものや、OCRなどで読み込んでデータ化するものなどがあります。名刺のデータ化から共有までをまとめて行えるソフトと考えるとわかりやすいでしょう。
そのほかにも名刺情報を項目ごとに分類してデータベースに格納・蓄積する機能や、情報を検索する機能などを保持していることが多いのが特徴です。また、モバイルアプリとして提供されているソフトであれば、商談後すぐに名刺情報をデータベースに取り込めます。
名刺管理ソフトでできること
名刺を効率的に管理するうえで、名刺管理ソフトは欠かせません。名刺管理ソフトに搭載されている主な機能は、以下の4点です。
- 名刺情報のデータ化
- 名刺情報の検索
- 取引先の組織図作成
- メール配信
それぞれ詳しく見ていきましょう。
名刺情報のデータ化
名刺管理ソフトを導入すれば、名刺情報のデータ化が容易に行えます。名刺管理ソフトは、名刺をスキャンして情報をデータ化するソフトです。そのため、名刺情報の管理がしやすくなるほか、名刺情報がクラウド環境で一元管理されるため、別部署や支店などとの名刺共有もスムーズに行えます。
名刺情報を読み取る方法としては、以下の方法があります。
- フラットベッドスキャナによる読み取り
- 複合機のスキャン機能による読み取り
- スマートフォンのカメラ撮影による読み取り
名刺上のテキスト情報(名前や部署名など)はスキャンされたあと、OCR技術を用いて自動的に抽出され、クラウド上に保管・整理されます。名刺管理ソフトを活用すれば、紙ベースで保管・管理する必要がなくなるほか、名刺情報を手入力する手間や入力ミスを大幅に減少させられます。
名刺情報の検索
名刺管理システムの検索機能を利用すれば、会社名や担当者名を入力するだけで名刺情報を検索できるため、業務の効率化につながります。
名刺をデータ化せず、名刺入れなどで保存していると、必要なときに名刺を見つけられず困ることもあるでしょう。名刺情報をデータベースに格納しておけば、必要に応じて名刺情報を容易に検索できるため、相手との商談や会議の際に迅速な対応が可能になります。
取引先の組織図作成
名刺管理ソフトには、取引先の組織図を作成する機能を持ったものもあります。取引先の情報をソフトに登録しておくだけで、取引先の組織ツリーが作成できるため非常に便利です。
紙の名刺で組織図を作成するのは、手間がかかります。組織図作成の手間や時間を削減できる点は、大きなメリットです。また、組織図を作成できれば、組織ツリーにより取引先の人脈を可視化でき、取引先との良好な関係の構築に役立つでしょう。
メール配信
名刺管理ソフトには、メール配信機能が搭載されているものもあります。メール配信機能は、名刺管理ソフトに登録・保存されたメールアドレスのデータを活用して、メール送信を行える機能です。
登録されたメールアドレスへメールを一斉送信することはもちろん、指定した条件をもとに個別アドレスへメールを送ることもできます。また、会社名や名前などを本文に入力した、差し込みメールの配信が可能なソフトもあり、訴求力が高いメール配信が行える点も魅力です。
名刺管理ソフトを導入するメリット
名刺管理システムを導入することで、得られるメリットは以下の3点です。
- 情報の一元管理ができる
- 情報整理が効率的に行える
- スムーズな情報検索が可能になる
メリットを理解したうえで導入を検討するようにしましょう。
情報の一元管理ができる
1つめのメリットは、名刺管理ソフトを活用することで名刺情報を一元管理できるようになることです。ソフトの導入により名刺情報が名刺管理ソフト1つに集約されるため、情報の二重入力や散逸といった事態を避けられます。
また、同じ顧客や取引先に関わる部署やメンバー間で名刺管理ソフトを一緒に使用することになるため、最新の顧客連絡先や取引履歴を共有でき、スムーズな連携をとれるようになります。
情報整理が効率的に行える
2つめのメリットが、情報整理を効率的に行えるようになる点です。名刺管理ソフトでは、会社名・所属部署・役職・氏名といった基本情報が項目ごとに分類・格納されるため、名刺情報の整理を効率的に行えるようになります。
また、紙の名刺をデジタル化することで、手動で行う際に起こりがちな入力ミスや名刺の紛失などのトラブル解消に役立つほか、保管スペースの節約にも役立ちます。
さらに、セキュリティ対策の施された名刺管理ソフトであれば、データのバックアップやセキュリティ強化も行えるため、情報漏えいのリスクも抑えることが可能です。
スムーズな情報検索が可能になる
3つめのメリットが、スムーズな情報検索が可能になる点です。名刺管理ソフトで取り込んだ名刺情報はデータベースに格納されるため、商談や会議の前に必要な情報を確認しやすくなるでしょう。さらに、急な訪問などがあった場合でも検索機能があれば情報を迅速に調べることも可能です。
専用の名刺管理アプリがある名刺管理ソフトであれば、アプリを通じて外出先からもアクセスできます。外出先から名刺情報にアクセスできればフレキシブルな対応が可能になり、顧客対応をスムーズかつ迅速に行えるようになるでしょう。
顧客管理システム(CRM)とは
顧客管理システム(CRM)は、顧客の情報を細分化し、データとして管理するツールのことです。顧客の名前や住所、連絡先などの基本情報や購買履歴、やり取り対応履歴などを一元管理して共有できます。
顧客管理システム(CRM)を導入すれば、顧客情報を細かく管理できるようになるでしょう。顧客と良好な関係性を築けるようになったり、営業戦略などに幅広く活用できたりすることが特徴です。
顧客管理システム(CRM)でできること
ここでは、顧客管理システム(CRM)でできることを4つ紹介します。顧客管理システム(CRM)でできることには、主に以下のようなものが挙げられます。
- 営業活動の情報管理
- マーケティング
- 顧客情報の管理
- 顧客分析
各ポイントを解説します。
営業活動の情報管理
顧客管理システム(CRM)を導入すれば、顧客との取引実績や商談過程などを一元管理できるため、営業活動の情報管理を効率的に行えるようになります。
また、営業活動の進捗状況を社内やチーム間で可視化できるため、互いにサポートしやすい環境を構築できたり、社員自身の意識が高まったりする効果を期待できるでしょう。
マーケティング
顧客管理システム(CRM)には、マーケティング支援機能が多く搭載されています。機能を使いこなすことで、効果的にマーケティングを実現可能です。
マーケティングに活用できる機能としては、以下のようなものが挙げられます。
- メルマガ送信
- アンケート送信
- SNS連携によるソーシャルマーケティング
これらの機能を活用することで、顧客の潜在ニーズを探れるほか、サービスの再検討をしてもらえるきっかけになる可能性もあります。顧客管理システム(CRM)に搭載されているマーケティング支援機能を駆使すれば、より効果的なマーケティング施策を打ち出せるかもしれません。
顧客情報の管理
顧客管理システム(CRM)では、顧客の会社名や住所、メールアドレスなどの顧客情報や購買履歴、顧客とのコミュニケーション履歴などを一元管理できます。そのため、効率的な顧客情報の管理を実現可能です。
これまで営業担当者をはじめ一部の部署や担当者ごとに属人化していた顧客情報を顧客管理システム(CRM)1箇所に集約できます。さらに、顧客情報の可視化も可能です。営業担当は、それらの可視化された属性をチェックするだけで顧客にあわせたアプローチをしやすくなるでしょう。
顧客分析
顧客管理システム(CRM)では、顧客の購買情報や年齢層といった情報を管理できるだけでなく、これらのデータを分析する機能も搭載されています。データ分析機能を駆使することで顧客分析が可能になり、より最適なプロモーション活動を行えるようになるでしょう。
以前に離脱した顧客の行動履歴をもとに自社の抱える課題を分析することや、既存顧客の購買傾向を分析することでターゲットメールを送付する相手や時期を判別するといった使い方ができます。
客管理システム(CRM)を導入するメリット
顧客管理システム(CRM)を導入することで得られるメリットは、以下の3点です。
- 作業を効率化できる
- 効果的なマーケティング戦術を立案できる
- 顧客満足度の向上につながる
顧客管理システム(CRM)を使いこなすうえでもメリットを押さえておくことが重要です。各メリットについて、順番に解説します。
作業を効率化できる
1つめのメリットが、作業の効率化です。顧客管理システム(CRM)を活用すれば、膨大なデータの中から必要な情報を探す場合でも、1つのシステムの中から検索できます。複数のデータを閲覧して確認する手間が省けるため、作業効率向上に大きく貢献してくれるでしょう。
システムの中には、顧客との商談日程を自動調整してくれるものもあります。電話をかけて日程調整を行う手間もなくなるため、ほかの作業に時間を使えるようになり、業務全体の効率アップが可能です。
効果的なマーケティング戦術を立案できる
2つめのメリットとして、効果的なマーケティング戦術を立案できるようになる点が挙げられます。顧客管理システム(CRM)に蓄積された顧客情報は、顧客全体の傾向を分析するうえでも役立ち、新しいマーケティング戦略を立てるうえでの根拠になるためです。
自社サイトへ流入した経路を探ることで、似た行動パターンを持つ顧客にアピールする戦略を実現します。また、特定の年代において売上が好調だった商品があるという分析結果から、その商品の補完財になる商品を作って売るという戦略などを立てられるでしょう。
顧客管理システム(CRM)のデータをうまく活用することで、新たな客層を獲得する手助けにもなります。
顧客満足度の向上につながる
3つめのメリットが、顧客満足度の向上につながる点です。顧客管理システム(CRM)では、顧客の基本情報はもちろん、購入商品やサービス、購入日時などを把握できます。顧客一人ひとりに応じた商品展開やサービス提供を実現できるでしょう。
また、顧客情報を共有できる点も顧客満足度向上において重要なポイントです。これまで営業だけではフォローできなかった既存顧客との関係でも、他部署と連携して情報共有することで細かなアプローチができるようになります。
名刺管理ソフトと顧客管理システム(CRM)の違い
名刺管理ソフトと顧客管理システム(CRM)の特徴や導入することで得られるメリットを解説しました。では、自社にあった商品はどちらなのでしょうか?
ここでは、それぞれのツールの違いについて解説します。違いをしっかり理解して、自社にあった商品を選べるようになりましょう。
両者の主な違いは、以下の表のとおりです。
ツール | 導入目的 | 取り込むデータ |
---|---|---|
名刺管理ソフト | 営業担当者の人脈(名刺情報)を可視化・共有し、営業活動を支援する | 名刺に書かれた情報(企業名、部署名、担当者名、連絡先など) |
顧客管理システム(CRM) | 顧客との関係性を強化し、利益を向上させる |
|
名刺管理ソフトと顧客管理システム(CRM)は、どちらも顧客情報を管理することが目的のアプリケーションですが、導入目的や取り込んで管理するデータに違いがあります。
まず押さえておきたいのが、導入目的の違いです。名刺管理ソフトは、営業活動を支援する目的で導入します、一方で顧客情報システム(CRM)は、顧客との関係性を強化して利益を向上させるために導入するものです。
また、取り込む情報も表のように異なります。名刺管理ソフトが名刺情報を取り込むのに対し、顧客管理システム(CRM)は顧客のさまざまな情報をデータとして蓄積します。
そのため、名刺管理ツールは名刺に記載されている以上の情報を取り扱うものではありません。純粋に名刺情報をもとに営業活動を支援するソフトと考えるとよいでしょう。
一方の顧客管理システム(CMS)は、より広い顧客情報をもとにした、顧客管理のソリューションツールのようなものです。名刺だけでなく、実際に顧客とのやり取りで得たあらゆる情報を登録します。
名刺管理ソフトと顧客管理システム(CRM)の選び方
名刺管理ソフトと顧客管理システム(CRM)の違いがわかったところで、ここでは自社にあった商品の選び方を解説します。商品を選ぶ際は、以下の2つの視点に注目して選ぶようにしましょう。
目的で選ぶ
選び方として、導入目的で選ぶ方法が挙げられます。導入目的や導入することで得られる効果やメリットは、それぞれ異なるものです。まずは、利用目的を明確にするようにしましょう。
名刺を管理したいのか、営業効率を向上させるためにデータを管理したいのかなど、自社が抱える課題を明確にしたうえで、それに合致する特徴を持った商品を選ぶことが重要です。
名刺管理のみを行いたいのであれば、安価な名刺管理ソフトで問題ないでしょう。顧客データを活用して営業を効率化したいのであれば、顧客管理システム(CRM)を中心に商品選びを行いましょう。
機能や費用で選ぶ
導入目的を明確にしたら、搭載する機能や費用についてもチェックしましょう。OCRツールで電子データ化する簡単な仕組みの名刺管理ソフトは、低コストで導入しやすいのが魅力です。
一方で、顧客管理システム(CRM)には名刺管理に加えて、顧客関係を構築・維持するうえで必要なさまざまな機能が搭載されています。顧客データの一元管理や属性情報の管理、対応履歴の記録、商談状況や各フェーズの進捗管理なども可能です。
できることが多いぶん、名刺管理ソフトに比べて費用が高くなる傾向にあります。自社に必要な機能が搭載されているか、きちんとチェックするようにしましょう。
名刺管理ソフトとCRMツールを連携させられるサービスもある
名刺管理ソフトの中には、顧客管理システム(CRM)と連携可能な商品もあります。商品選びでお悩みの場合は、連携可能な商品から選ぶのも1つの手です。
名刺管理ソフトと顧客管理システム(CRM)を連携させられると、以下のようなメリットが得られます。
- 情報共有をリアルタイムに行える
- 情報データのアクセス先を一本化
- CRMツールの定着が進む
- 効率的な新規開拓や休眠顧客の掘り起こしができる
両者を連携することで、情報共有をリアルタイムに行えるようになる点はメリットです。名刺管理ソフトで新しい顧客情報を登録した際に、顧客管理システム(CRM)にも自動反映されるように連携しておけば、常に最新の顧客情報が登録され、リアルタイムでの情報共有が行えます。
また、情報データのアクセス先を一本化できる点もメリットです。それぞれにデータを登録していると、同期をとれていない場合どちらが正しいのかわかりません。また、それぞれにアクセスして工数が倍になることも予想されます。情報源を一本化することで、業務時間の短縮ができるだけでなく、顧客管理システム(CRM)の利用率も高まるため、ツール定着にもつながります。
さらに、名刺管理ソフトと顧客管理システム(CRM)の連携することで、見込み顧客リストを容易に作成できるため、効率的な新規開拓や休眠顧客の掘り起こしも可能です。
配配メールならCRMと名刺管理システムの連携が可能
自社にあった製品選びでお悩みの場合は、メールマーケティングサービス「配配メール」がおすすめです。配配メールでは、名刺管理ソフト(Eight Team)やCRM(kintone)との連携が可能なため、効率的なメール配信や自動連携による作業効率アップが図れます。
Eight Teamは、Sansan株式会社の提供する名刺管理ソフトです。配配メールとの連携により、名刺管理の一元管理はもちろん、名刺情報への効率的なメール配信も実現できます。
kintoneとは、サイボウズ株式会社のノーコード・ローコードツールで、CRM(顧客管理)としても活用できるのが特徴です。kintoneと連携することで、メール配信業務にかかる負担を大幅に軽減できるだけでなく、顧客情報や案件情報を一元管理できたり、案件の進捗やメンバーの工数なども確認できたりと、マーケティング活動などにも注力できるようになるでしょう。
詳しい内容を知りたい方は、以下よりお問い合わせください。
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まとめ
名刺管理ソフトと顧客管理システム(CRM)では、それぞれ導入する目的や得られるメリットが異なります。自社にあった商品を選ぶためにも、記事で紹介した特徴や機能、得られるメリットをしっかり把握することが大切です。
名刺管理ソフトと顧客管理システム(CRM)のどちらを選ぶかお悩みの場合は、配配メールの利用を検討してみてはいかがでしょうか。配配メールでは名刺管理ソフトや顧客管理システム(CRM)との連携も可能なため、名刺情報や顧客情報の一元管理から各種情報をもとにしたメール配信までスムーズに対応できます。配配メールを導入して、ぜひ営業業務の効率化を目指しましょう。
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